とある世界に女性がすべての、力と地位と名声と、そして健康と長寿を約束された子供を出産することが出来、幸せな人生を約束される国があった。その女王家のファミリーネームはエクレール家。そして代々のエクレール家の女性はとある約束されし男性がいるという。”女神の皇子”という二つ名を与えられた男性を虜にした女性は、その国の女王となり、すべてを手に入れることが出来るという。だが当代の”女神の皇子”は女性とのセックスはあくまで愛を確かめるもののためで、ただ一人の女性と共に幸せを共有したいという考えの男性だった。だが、ある日、女神の皇子はそのエクレール家の権力争いに巻き込まれてしまう。その男性の名はエリオット・アルテミス。月の女神・アルテミスを祀る、健康と長寿の霊薬と云われる男性だった。
日本の財閥界のトップである、花見財閥。その跡取りである花見亮は、人嫌いのわがまま御曹司だった。そんな彼を変えるためにやってきたのは、新人の使用人、琴だった。最初は琴の事を煩わしく思っていた亮だが、正面からぶつかってくる素直な琴の姿に、段々と心を開いていくようになる。そして琴もまた、亮が横暴な人になってしまった理由を知る。それは、幼いころからの親友の裏切りだった。そのせいで、亮は誰かを信頼することができなくなってしまっていたのだ。そして、一定の距離を保って人と接するようになってしまった。人と親密になることは、裏切られることと紙一重なのだから、と。だが、琴の言葉に心動かされた亮は、もう一度人と関わる努力をしていこうと決心をする。そしてその半年後、突然やってきたのは、以前裏切られた親友だった。彼は何をしにやって来たのか?彼が語る真実とは・・・?そして亮は、立派な跡取りになれるのだろうか・・・?「ありがとう」の言葉をテーマにした、ちょっぴりファンタジーな心温まる物語。