「もうすぐ、この帝都を、とてつもない嵐が襲うわ」時は大正時代。文明に彩られ、人々が未来への希望を抱く一方、帝都の暗がりには陰鬱な雰囲気が蔓延していた。カフェーの給仕・千夜は、親友の令嬢・芙美子の不審な行動に気を揉んでいる。背後にちらつくのは、怪しげな秘密結社の影。そこである夜、芙美子を追跡すると――。
ねぇ知ってる?通学路に佇む白い手袋の少女のこと。ねぇ知ってる?薄暗い廊下に響く、誰かの咳――。ありふれた日常に、異形の存在は突然現れる。
森で老婆から与えられた奇跡を糧に、姉妹は不幸な現実を生き延びる。胸に秘めるのはいつも、永遠を生きた数分間のこと――。※一部に流血描写を含みます。