疾風は普通の学生。そんな彼の日課は亡き祖母が亡き祖父と出逢った場所として、大切にしていた神社に毎日のように参拝に言っている事だった。 檸檬という土地の守り神を祀るという神社だが、普段から人気は無く、参拝客も疾風位のものだった。 そんなある日、神社参拝の帰り道で疾風は見た事の無い少女に出会う。苺と名乗った彼女は黒い何かに追われ、逃げている様子だった。 驚く疾風だったが、助けを求めて来る苺を放って置けず、怯えながらも黒い物と相対する事に。 するとどこからか声が聞こえ、刀が現れて……!? 更にこれをきっかけにして、疾風は世界を救う冒険の旅へと出る事となり……。 カラフルなヒロイン達と選ばれし少年の……RPG風冒険ファンタジー。 『オタク四天王』達の嵌るゲームの物語、ここに公開!
皇帝が政治を行う月初国の王都、平等京。そこはその地を守護する神と契約を交わす事で貸し与えられた土地。都存続の為に代々月初国では『巫女姫』と呼ばれる役職の女性が契約神に祈りを捧げるのが伝統となっていた。 この『巫女姫』は王家の汚れを祓うと言う役目を持つ為、自らが汚れを寄せ付けないよう恋愛、結婚、出産を禁忌とされる生娘であるのが絶対条件である。しかし先代『巫女姫』はそれを破り、王都から追放され、代替わりする事となった。その先代『巫女姫』の娘である宝源鈴は追放された故に郊外にある屋敷で暮らす一般庶民。自由奔放で様々な男の許を遊び歩き、帰って来ない母親のせいで一人暮らしとなっていた。そんな彼女は人外の物に攻撃出来る強い霊力と術の知識を持ち、それを生かして人外の物絡みと思われる事件を調査し悪しき物を調伏する『祓屋』を生業として生計を立てていた。 そんな生活をしているせいで世間的に見れば変わり者。そのせいで一般的には数えで十二、三で嫁に行くと言うのに……十六歳と行き遅れていた。 更に人外の物が視える者は年々減っており、関連する信仰も薄れていた為に『祓屋』の収入は少なく生活も楽では無い。今後の為に副業でも始めようかと悩み始めている頃、強力な大妖怪を倒して欲しいと言う……久々の大物依頼が舞い込む。しかし敵は出遭ったが最後、妖気に当てられ動けなくなり、果ては気を失うというレベル。流石の鈴でも歯が立たず、窮地に追い込まれてしまった。そんな時、一人の少年が現れる。彼は息吐くように口説き文句を連発する変態だったが……確かな実力で確実に敵を倒し、鈴の安全を確認するという優しさも持ち合わせていた。しかしその日彼は名乗る事さえせずに去り、数日後鈴に第二皇子・旺林として求婚してくる事に。しかし怪し過ぎると鈴は断ってしまう。すると代わりに収入は出すから後宮で行方不明となった巫女姫の代理巫女姫をしないか……と誘われる。割の良い仕事の上、旺林に借りを返したい鈴は引き受け、後宮の巫女姫が暮らす『百合の間』での生活をスタートする事となるが……実は現『巫女姫』の和歌は行方不明でも何でも無く、何故か侍女に扮して仕えてくれる事となっていた。しかも鈴はそれを機に旺林と共に様々な事件に巻き込まれる事となって……!? 和中混合の国で繰り広げられる、ファンタジーラブコメディ。
時は大正時代。 夕日千代は女学校で有名な文学少女。常に本を読んでいる変人とされ、美人お嬢様・昼長貴美しか寄り付かない程で完全に浮いていた。 そんなある日の帰り道、貴美と別れた千代は暗い裏路地に迷い込む。更にそこで朝焼陽多、宵闇月少という小学校の幼馴染と再会するが……二人は得体の知れない何かと戦っていた。 そんな二人を助けようと脳裏に浮かんだ呪文を唱えた千代は……人外の生物を居るべき異界へと還してしまう。その事をきっかけに千代は不思議な能力を持った一族だという事を理解する事となり、姉妹や友人に危険が迫っている事を知って……。
高校三年生ながら、それは仮の姿。その実裏社会で『非道な稲妻』として恐れられているアサシン、稲妻大志。彼の主なターゲットは人ならざる物の存在や言葉を見聞きし、その物達を操り人に仇なす人間だ。そんな彼には血の繋がらない家族が居る。 嘗て捨てられていた彼を救い名前もくれたが、数年後にその大志の手によって殺された女性の子供、由槻真凛だ。 出会って五年。名前のように真っ直ぐで、芯の強い性格に育った小学二年生の真凛を大切にしながらも大志は殺しに精を出す毎日を過ごしていた。仕事である為、特に殺す事に対して何も思わない大志だが、ある日殺しに真凛が割り込んで来た上に人質に取られてしまう。 何とか真凛を助け彼女の目を塞いで相手を殺したが、その後に真凛と押し問答になってしまう。「殺しは仕事」だと考えて殺しを行う大志に対して「もう大志に人を殺して欲しくない」と願う真凛。 真凛の願いは大志を変えられるのか? 相反する想いを抱えた二人の……優しい愛の物語。