「もうすぐ、この帝都を、とてつもない嵐が襲うわ」時は大正時代。文明に彩られ、人々が未来への希望を抱く一方、帝都の暗がりには陰鬱な雰囲気が蔓延していた。カフェーの給仕・千夜は、親友の令嬢・芙美子の不審な行動に気を揉んでいる。背後にちらつくのは、怪しげな秘密結社の影。そこである夜、芙美子を追跡すると――。
ジョンがおかしくなったのは、恋人が死んでからだ。得体の知れない本を読み、なにやら思索に耽る彼。さらに街ではおかしな事件が頻発する。<わたし>が問いただすと、ポールはある恐ろしい秘密を打ち明けるのだった――。クトゥルフ神話モチーフのダークファンタジー小説。全5回。
森で老婆から与えられた奇跡を糧に、姉妹は不幸な現実を生き延びる。胸に秘めるのはいつも、永遠を生きた数分間のこと――。※一部に流血描写を含みます。