落ちたい入試

完結(4)

「ホンマにウチだけ、受かっちゃってええん?」。高三の秋。大学のAO入試を控えたウチは面接練習に励むも、大事な質問でヘマを繰り返す。思い浮かぶ深雪ちゃんの顔や足音が、ウチの調子を狂わせていた。
 まわりが推薦やAO入試などで簡単に進学先を決めていく中、一人ぼっちで一般入試の勉強を続ける深雪ちゃん。そんな深雪ちゃんを置いて、ウチまでサッサと大学を決めちゃってええん?
 …聞きたいけど、恐くて聞けない。そして、その彼女をめぐって生じる新たな疑惑…今時の受験事情を背景に、今時の「友達との距離」を笑い&腐女子ネタとともに描く短編。

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ナギのせいで!

「ナギのアホっ!起こしたげるとか言ってナギも寝ちゃったんでしょ!」「寝とらん!起きてたが!」「なら何でこんな山ん中に来ちゃってるんよ!」「携帯のゲームが面白ぉてな。そいで気がついたら…」「ドアホーっ!おまけにそれ私の携帯な!勝手に使うな!」「落としたの拾ったげたんよ!『ありがとう』は?」「……………」 真冬の夜、津山の街までボランティアに行った帰りの汽車。ナギにすすめられるまま一眠りして、揺り起こされたら見たこともない山の中だった。 とりあえず次の駅で降りて家に電話しようとしたら、ナギがゲームやったせいで電池切れ。まわりに何もない山奥の無人駅は、ナギが待合室のドアを壊したせいで氷のように寒い。そして戻る汽車は来る気配すらない…。「なあ!山の向こうまで線路歩いて、おばあちゃん家に行こ!」「はぁ?!」 ナギが言うには、一つ先の駅…長いトンネルで山を越えた向こうに祖母の家があるという。 けどだからって、なんでそんなムチャな… でも、たしかにココにいても凍え死ぬばかりで、そして他にアテはない…。 大冒険、疑惑、衝撃、そして静かな感動が待つ、幼なじみの少女二人のドタバタ珍道中。

2016.07.10 完結 (5)
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みのり二人

寒い大雪の日。体調を崩したみのりが学校を早退してくると、母親がいるはずの家には鍵がかかり、なぜか雨戸までが固く閉ざされていた。家の前にうずくまっているところを通りがかりのお姉さんに助けられ、みのりはそのお姉さんのアパートに落ち着く。同じ「みのり」という名前で、顔もみのりによく似ている…そんなお姉さんが、みのりの性格や趣味、そして誰にも言えないでいる悩みまで次々に言い当ててくる…。あなたの生きづらさや将来への不安をきっと癒やしてくれる、心温まる短編SF。

2015.06.04 完結 (5)
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イラストレーター

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