「ナギのアホっ!起こしたげるとか言ってナギも寝ちゃったんでしょ!」「寝とらん!起きてたが!」「なら何でこんな山ん中に来ちゃってるんよ!」「携帯のゲームが面白ぉてな。そいで気がついたら…」「ドアホーっ!おまけにそれ私の携帯な!勝手に使うな!」「落としたの拾ったげたんよ!『ありがとう』は?」「……………」 真冬の夜、津山の街までボランティアに行った帰りの汽車。ナギにすすめられるまま一眠りして、揺り起こされたら見たこともない山の中だった。 とりあえず次の駅で降りて家に電話しようとしたら、ナギがゲームやったせいで電池切れ。まわりに何もない山奥の無人駅は、ナギが待合室のドアを壊したせいで氷のように寒い。そして戻る汽車は来る気配すらない…。「なあ!山の向こうまで線路歩いて、おばあちゃん家に行こ!」「はぁ?!」 ナギが言うには、一つ先の駅…長いトンネルで山を越えた向こうに祖母の家があるという。 けどだからって、なんでそんなムチャな… でも、たしかにココにいても凍え死ぬばかりで、そして他にアテはない…。 大冒険、疑惑、衝撃、そして静かな感動が待つ、幼なじみの少女二人のドタバタ珍道中。
【完結しましたっ!】高校2年生の三崎凪砂は、見知らぬ友人たちと砂浜で遊ぶ夢を何度も見ていた。そんなある日、なんとなく眺めていたテレビの旅番組に、その夢に出てきた景色が映る。だが、凪砂はその地域へ行ったことがない。一方、既視感(デジャビュ)で片付けるにはどうしても納得できない。そこで胸のモヤモヤを取り払うため、彼はその町へと旅に出ることにした。果たして旅先で彼を待ち受けているものとは?そして夢の真相とは?――ちょっぴり切ない、出会いと別れの物語。 ※全話書き下ろし新作です。そのため、状況によっては更新頻度が変わる場合があります。また、パソコンでの閲覧を想定した作りになっています。