僕の隣の席には高梨さんがいた。結構、前のことだけど。高梨さんは自分の席で首を吊った。
たぶんここは井戸のような深くて狭い穴の中なんですよ、先生。二人とも誰にも話せないような問題を抱えていて、どちらかが踏み台にならないともう片方は外に出られないんです。このままだとみんな死んでしまうんです
――あなたには、世界を救ってほしい。これは、私でなく世界そのものの願い――そう言って転校生の水夜が夏月に差し出したのは注射器。夏月はその薬物を使って現実と似た異世界『ムンドゥス』へと赴き。現実世界を腐らせる存在たる『モルタリス』を殺し、救世主として戦う。それは彼を捕らえ続けていた『役割』と『日常』の破壊。彼は夢中になって秘密のヒーローとして世界を救い始める。そんな”薬物の魅せる幻覚のような”リアルの物語
彼女は柳美里を読んでいた。内気で人と関わることのできない僕が好きになった相手は同じ講義を取る女の子だった。まるで自分とは接点がないと思っていた彼女とは意外な場所で結びついていて。ストーカー気質な大学生ラブコメ!
いつも通りの我が家へと帰宅した僕を待っていたのは憤慨する別居中の妻だった。合鍵が使えなくなったのは誰のせい?ちょっと危ない離婚まで秒読み寸前な日常の謎
少し未来の日本。純血でないことから差別される二人の遺児は売春と暴力に血塗られた裏通りで、すでに過去のものとなったヤクザになることを夢見る