「きっと助けて見せる…………!」クリエは怪盗シャムロックとして夜の屋根を駆ける。異母弟の足のため、義父の病気のため、そして、自分の命のため――――
平成のヴェア・コールを自称する成瀬一星と、相棒の“ゲオルグ・マノレスコ”こと華邑夕月。ちょっと間抜けな二人の誘拐犯と少女、藤崎冥の回顧録。「悪党どもと、ひとりぼっちの子ヤギ」の続き。
森で老婆から与えられた奇跡を糧に、姉妹は不幸な現実を生き延びる。胸に秘めるのはいつも、永遠を生きた数分間のこと――。※一部に流血描写を含みます。
――中学生。それは誰もが経験する、人生で最も熱い時代。目に見える全ての不思議に心を踊らされ、日常のあらゆるものが眩く、輝いて見える時代。大人になればありふれた日常が、まるで宝石箱のように大事なもので溢れ返って思える、そんな時代。これはまさに、そんな中学生時代真っ盛りの、少年少女の身に起きる数々の《ロマン》の物語である。