それはいくつもの太陽と月がまたたき、いくつもの不変の世界がちりばめられたいびつな世界。
太陽と月がひとつずつしかなく、時間と共に変わりゆく「あなた達」の世界「変動世界」に対して、「不変世界」と呼ばれる場所。
そこには、「笑顔」を対価にどんな頼みも聞き入れる、奇妙で不思議な戯ける道化がおりました。
これは、彼を巡る物語。
笑わない少女と、何でも知っている女と、喧嘩に溺れる若者と、優しくないヒーローと……「かみさま」に「ほんの少しだけ特別な才能」を与えられた不思議なひとびとと。
彼らを巻き込み、彼らが織り成す物語。
どれだけ残酷な結末が待とうとも、どれだけ悲しい先が見えようとも、繰り広げるはいつでも喜劇。
それでも仮面の道化は笑えない。
五月蓬と書いて「さつきよもぎ」じゃなく「ごがつよもぎ」です。
どうぞよろしくおねがいいたします。