「初めまして。こんにちは。私はずっと前からあなたのことが大嫌いです」交通事故現場で出くわした少女に、開口一番そんな言葉を浴びせられた大学生の都大樹(みやこ たいき)。続けて彼女は、数本の花を差し出しこう告げる。「被害者を救いたければ、この花を供えてください」少女の言葉通り花を供えた途端、視界に紫色の花びらが舞い……気付けばそこは、数分前の事故現場だった。ひとりの少女と花をめぐる、救済と別れの物語。こんにちは! 初めまして。前回『赤と銀のリード』を書かせてもらい、今回で二作目となります。前作は一気に完結まで書いてしまったので、今回は連載形式を取ろうと思いました。皆さんの関心を少しでも得ることができればうれしいなと思います。それでは、どうぞよろしくお願いします。
詐欺令嬢。それが、エヴァリーンの二つ名である。お人よしの母が、次から次へと詐欺に引っかかり、騙されるためそんな名をつけられてしまったのだ。ある日、母がまた詐欺にあった。傷心を引きずる最中、エヴァリーンは幼馴染の青年と再会する。しかし、彼はエヴァリーンの記憶にある彼とは、名前も容姿も違う人物だった。青年―――レオンはエヴァリーンに結婚を申し込んできた。詐欺を疑ったエヴァリーンは、レオンに「あなたの想いを行動で示せ」と言うと、彼はそれを承諾した。かくして、詐欺令嬢エヴァリーンのちょっぴり変わった「花婿探し(コンカツ)」が開幕する。