とある世界に女性がすべての、力と地位と名声と、そして健康と長寿を約束された子供を出産することが出来、幸せな人生を約束される国があった。その女王家のファミリーネームはエクレール家。そして代々のエクレール家の女性はとある約束されし男性がいるという。”女神の皇子”という二つ名を与えられた男性を虜にした女性は、その国の女王となり、すべてを手に入れることが出来るという。だが当代の”女神の皇子”は女性とのセックスはあくまで愛を確かめるもののためで、ただ一人の女性と共に幸せを共有したいという考えの男性だった。だが、ある日、女神の皇子はそのエクレール家の権力争いに巻き込まれてしまう。その男性の名はエリオット・アルテミス。月の女神・アルテミスを祀る、健康と長寿の霊薬と云われる男性だった。
《命を懸けて“冥府の吹雪”に立ち向かう、孤独の王子と若き女騎士。吹雪に秘められた残酷な真実に、彼らは抗いきれるのか?》多くの人間の命が、前後不覚の吹雪に取り込まれていく。大陸の民は、その吹雪を『冥府の吹雪』と呼び、長い間恐怖に怯え続けた。そこで一人の王子と一人の女騎士が、大陸の民を救うべく立ち上がるのだが……。人間の存在意義とは何か?何を以てして『人間』で、何を以てして『魔物』なのか?『人間』は『神』になれるのか?──冥府の狭間で、彼らはそれを知る事になる。孤独なる権力者、身分違いの恋に身を焦がす女、理想の国家を夢見る男……。彼らの目指す先には、永遠なる幸福が待ち受けているはずだった。★メインイラスト担当:さくらい莉様★※表紙、挿し絵、キャラクターアイコン(リセル・ルディア・メーディア・クロノス・アズール)
もうひとつの物語。 キリアサンタと呼ばれる宗教国家は長い平和を築いていた。 かつて、世界に馴染み、生物学上の頂点に君臨した種族が「人間」と呼ばれる種族であった。 自分たちだけの力で世界を保つのには力が不十分であると感じた人間たちは、他の種族と共存することを考える。 そしてそれが実現した世界、だったはずなのだが。 今やどの国々も一触即発の雰囲気。 その中でも「リレイドフェルデン」国、「キリアサンタ」国は特に顕著だった。 国を治めるものとしての責務。民を神の国へと導くものとしての責務。誰も彼もが世界に翻弄されながら、それでもなお毎日を普遍的に生きていきたいと願っているのだ。皇帝が、教皇が、どちらかが世界を牛耳るだろう。その決着を付けるまで、あともう少し。基本設定など → http://akoss0124.wixsite.com/arcana-tail