あのミュージアムとの死闘から7年後、2017年の風都は平和だ。フィリップは俳優を、俺は相変わらず探偵をしている。『ドーパント』との争いの日々は、……もう、過去のモノだと思っていた。
《24h×365日、働く男》と異名をとる新進気鋭の青年実業家、冴島時生(さえじま ときお)。でも、じつは、それには色々と事情があって・・・
彼女にはもう時間がなかった。それは彼女にも分かりすぎるほどに分かっていたはずなのだけれどそれでも彼女は僕にこう宣言したのだ。「私、小説、書いてみようかな」それは彼女が人生の終わりに決めた最後の「スタート」。これは僕と彼女が何を見て、何を聞き、何を感じ、そして何を描いたのかを綴る物語。非日常でも、脱日常でも、ましてやただの日常でもない、末日常の物語。