寒冷の大地アルスには雪の降る砂漠が広がる。人心すら冷え込む地に、オアシスのような笑顔で真っ直ぐに生きる少女がいた。歴史の中にひっそりと輝く彼女の、ほんの一節。
ちょっぴりSFな、日常系ボーイミーツガール。主人公の「山菜大器(やまなたいき)」は、貧しい家庭を支えるために深夜の工事現場バイトを続けていた。ある日、過酷なその仕事に志願してきた少女、「小豆沢はれ(あずきざわはれ)」と出会う。ただのか弱い少女に見えるはれ――彼女は、とてつもない力を持っていたのだ。大器の日常は、はれの"ちからずく"で変化していく。気がつけば、貧しさも退屈も薄らいでいた。