ある山里に、幼い兄妹がおりました。兄は蛇が苦手でしたが、妹は蛇を助けようとしました。やがて兄は家をはなれます。夏に帰省した兄が見かけたのは、赤黒の着流しに眼鏡をかけた、見慣れない男でした。男のあとを追いかけて山に入った兄は夕立ちに遭い、雨宿り先として茅葺き屋根の家に駆けこみます。そこにいたのは、兄がよく知っている風貌の女の子でした。なんとなく日本っぽいようなアジアっぽいようなそんな雰囲気です。が、作中の諸々は創作でありフィクションです。里山と稲穂と雷。幻想とそこはかとなく怪奇。だいたいのキーワード(こちらをご覧のうえ、苦手なようでしたらご注意ください)→兄妹/長髪/着流し/眼鏡/異類婚姻譚/冥婚/蛇