詐欺令嬢。それが、エヴァリーンの二つ名である。お人よしの母が、次から次へと詐欺に引っかかり、騙されるためそんな名をつけられてしまったのだ。ある日、母がまた詐欺にあった。傷心を引きずる最中、エヴァリーンは幼馴染の青年と再会する。しかし、彼はエヴァリーンの記憶にある彼とは、名前も容姿も違う人物だった。青年―――レオンはエヴァリーンに結婚を申し込んできた。詐欺を疑ったエヴァリーンは、レオンに「あなたの想いを行動で示せ」と言うと、彼はそれを承諾した。かくして、詐欺令嬢エヴァリーンのちょっぴり変わった「花婿探し(コンカツ)」が開幕する。
商家の令嬢と、鉄面皮な探偵の大正ロマンミステリー。商家の令嬢月読咲子(つくよみさきこ)は、西洋かぶれのお嬢様だ。ある日、咲子は学校帰り雨に降られ、縁結びゆかりの場所で雨宿りをしていた。そこへ、絵に描いたような美男子が現れ、咲子に傘を貸してくれた。ただし「一円」。代金を請求させ、乙女の夢は儚くついえた。翌日、従姉妹が誘拐され、咲子は叔父夫妻にあらぬ疑いをかけられた。そこを助けてくれたのは、傘をかしてくれた青年和泉だった。偶然を境に、咲子は和泉と協力して、誘拐された従姉妹の行方を探すことになった。