クイズいりませんか?

 何処からか子供の声がする。その声に呼び起こされるように男は目が覚めた。目を開けて体を起こす。

 体を起こして私は自分の目を疑った。

 何故なら私がいた場所が金属で出来ているのだろう壁と壁で囲まれた閉鎖空間にいる事だからだ。

――たく、こんな忙しい時に

どうなっているんだ

少年

あの、クイズいりませんか?

うっわ


 後ろを振り返ると少年が立ってた。少年はビックリとした表情をしている。

少年

おじさん。急に大声を出さないでよビックリするじゃないか

なっ、ビックリたのはこっちだ。急に話しかけるんじゃない

それとここは何処だ。私は忙しいんだ。出口は何処にある

 怒鳴りながら周りを確認した。窓は無く壁で囲まれている。少年の向こう側に大きな扉があるのがわかった。

 どうやってここに運ばれたか気になるが一刻も早くここから出なければならなかった。男は大きな扉に向かって歩き出した。

少年

どこに行くの? おじさん

黙ってろ


 こんなところにいてたまるか。これでは時間が狂うじゃないか。

少年

クイズに答えないと扉は開かないよ

――っ! なんだと


 少年の言葉に足が止まった。

少年

ホントだよ。僕が出す三つのクイズに答えられたら出れるようになっているんだ

ふざけやがって


 男は少年の胸ぐらを掴んだ。少年は男との体格差で宙に浮く。

少年

そうやってあなたは殺すの?

――くそ、速くクイズを出せ


 手を話し少年を開放した。男は黙りクイズを待つ。

少年

ではでは、おじさんがせっかちなので早速クイズを出すとしましょう!

少年

では第一問、下は大火事、上は洪水これって何だ

ふっ、いろいろ身構えたがクイズではなくなぞなぞではないか。馬鹿にしやがって

風呂

少年

正解!! 流石、このぐらいでは迷いがない

少年

まあ、昔の風呂だよね。五右衛門風呂だっけ、今はボタンを押すだけでいいもんね

いいから次を出せ


 男は怒鳴り、軽く貧乏ゆすりをして次の出題を急がせた。

少年

はいはい。せっかちだな。では第二問

少年

物を盗めば盗難罪、人を騙せば詐欺罪、勝手に人の家に入れば違法侵入罪

少年

では、人を殺せば何罪でしょうか?

……


 男の表情は曇った。それと同時に貧乏ゆすりを止めた。

少年

どうしたのおじさん。そんなに難しかった? おかしいなそんなに難しくないはずなのにな

お前……何者だ

少年

何者って、そうだなクイズの出題者かな。そうじゃなくって、答えは?

少年

早くここから出たいんでしょ、なら答えないと


 少年に急かされて男は詰まりながらも答えた。

……さ、殺人罪だ。私が警察官だぞ馬鹿にするな!!

少年

……


 何故か少年は静かになった。

おい、黙ってないで何か言え

少年

……正解!!

少年

流石、現役の正義の警察官にとっては簡単なクイズでしたね


 クイズ番組みたな演出なんぞして、こっちは時間がないんだぞ。

……

少年

うわ、そんな怖い顔をしないで、次が最後のクイズです

少年

今朝、とある住宅街で殺人事件が起きました。犯人は見つかってません。殺された人は家にあった包丁で刺され殺されていました。子供と父親をのこして

少年

さて、犯人は誰でしょう?


 少年が出した具体的なクイズに度肝を抜かれた。

おい、どうして包丁で刺されたことを知っている。まだ凶器に関しては報道されていないはずだぞ

少年

はい。この情報は警察関係か家族、それか犯人しか知らないはずです

少年

あ、そうそう。今朝死体を見つけて通報されたので深夜に殺された事になりますね。犯人はきっとアリバイ工作を深夜のうちに何処かで作っているんでしょうね

――そう、犯人は捕まりたくないからアリバイを作る。

……アリバイ

少年

さて、もう一度言いますよ

少年

犯人は誰でしょう?

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