リンは壁の文字を確認する。
 全く何が書かれているか分からない。現代の文字ではないからしょうがないだろう。

 優も続いて何もない事を確認した。そのまま松明をチェックしたがやはり何もない。そしてこの遺跡の調査をリンに任せて、部屋を後にした。



 リンは更に石の柱を調査し始める。
 ところどころ崩れているが、部屋を支えるには充分な頑丈さだ。特に変わったところはない。



 そしてやはり気になる黒い棺だ。

「開けてみよう」と心に決めたリンだったが、開ける術が見つけられない。でも金の装飾の一部分が動くことに気付いた。非常に細かい部分だが何か関係あるだろうか。

 アスカは地下聖殿で竜喜と合流する。そして自身で調合した白い粉末を竜喜に渡し情報交換する。

 そして真っ先にアスカは左右にある本棚から調べる。
 左右の本棚にはびっしりと本が並べられている。キッチリと整頓された本は、逆にアスカは不気味さを感じさせた。

 次は大理石で出来た床だ。
 この部屋の荘厳さは、この大理石で出来た床が部屋を反射させ、上下を線対称に見せているのが大きい。ただそれだけで美しいとしか言えない。



 竜喜は階段上を探す。
 しかし階段を上がっても特に何も見つからなかった。



 手分けしてお互いの場所を探すが何もない。やはりあの壁に書かれた絵だ。

 階段から竜喜が降りてくるあいだ、上かの目線で見ても、本棚や床には何もない。

 アスカは入口の上に描かれた血の翼を持つ女性画を見上げる。
 禍々しさが目立つと思っていた女性の絵だったが、見れば見る程、魅力的に感じてくる。アスカは徐々に陶酔する感覚を知りながらも、目が離せないでいた。

「美しいでしょう」

 突然耳元から聞こえた冷たい声。ハッと意識が明瞭に戻ったアスカは、冷たい声のした左側に身体を向ける。だがそこには誰もいなかった。



「この世で最も美しいものは死です」

 次に聞こえてきたのは、階段の上から。今度はいる。

 黒いローブを纏う青白い顔をした男……だろうか。どちらにしても、先程の冷たい声の持ち主だ。



「私は黒の司祭。死の存在が万物の美しさを生み、彼女はその死の象徴なのです。誰もがいつかは知る存在。そして彼女を知った時には終わりが来る。終わりを知ってから美しさは生まれるのです」



 話の内容や語調は熱く語るようだったが、やはり聞き終えた後には冷たさしか感じない。アスカと竜喜はただ聞きいるしか出来ないでいる。

 するとどこからか鐘の音が鳴り響いた。この館で目覚め、開始の合図と思われたあの鐘の音。しかも今回は2回だ。つまりタイムリミットが刻一刻と進んでいる証。アスカと竜喜は顔を見合わせたが、目の前の黒の司祭を当然無視出来る存在ではなく視線を集める。

 黒の司祭は鐘の音について何も語らず、ゆっくりと口を開いた。



「答えなさい。彼女の名は?」



 生気を感じさせない黒の司祭は、唐突に問いを振りかざしてきた。アスカと竜喜は皆目見当もつかない顔を返すしかなかった。

 そんな二人の反応を見た黒の司祭は、二人を見下ろし口を噤んでしまった。

 竜喜は黒の司祭の問いについて考えながら教会に来ていた。やはり答えの糸口も見いだせなかったが、この教会もやはり気になる。

 何人もここを調べてきた。違和感こそ感じるが決定的な何かは見付からない。竜喜は自分の洞察力を全て使うつもりで調査を開始した。



 ⇒ センス・洞察力所持



 やはりこれ以上何もない。



!?



 背を向けて部屋を出ようとした竜喜は、目を一点にフォーカスし足をそちらに向けた。床の絨毯が僅かにめくれ上がっている。

 違和感を感じた竜喜は、そっとその絨毯を捲り上げた。

 違和感は正しかった。これは隠された階段だ。



 そのまま竜喜はこの階段を開け調査する。

 この階段は一人分のスペースしかない。ここから覗くより、進んだ方が話が早いだろう。竜喜は高鳴る鼓動を抑え、階段を降りた。

 階段を降りて真っ直ぐの通路をずっと行くと、狭い部屋に出た。そこは灯こそあるものの牢屋だった。狭い部屋の両脇に鉄格子がビッシリと並んでいる。八つある牢獄の内、開いていない鉄格子は三つ。開いている牢獄内は特に何も見当たらなかった。

 ⇒ 隠し牢へ移動可能になった。

「ここはどこ? 私は……、私は……、ドウサン!!」







 ここは暖炉のある部屋。この館の中心地と言える構造だ。ドウサンは気が付いたらこの部屋に居た。どうやら正気に戻ったらしく、後を引くものもなさそうだ。

 ■運命値+1



 現在、ドウサン・河岡・ヤマノ、そして今、優が合流したところだ。

 情報交換が終わった後、やはり一番気になるのは、ヤマノが開いた手紙の内容。そうナビゲーターの話だ。手紙だけでは分からなかったあの言葉。おそらくそれが合図なのだろう。



 代表して優が白の処刑人の前に立った。例によって彼女は無言のままだ。



「レジエレール・クァース」


 ぎこちない発音だが、確実に聞き取れたはずだ。四人共、何かあれば逃げるくらいの体勢はとっていた。



「黒の司祭は『終わり』と『美しさ』を求める。それに関することを知る者が答えろ」



 白の処刑人はそう不愛想に言い、優の持つ黒の書に一瞬視線を移した。



「あと教会には何か隠されているのか?」



 ヤマノが続いて質問するが、白の処刑人は目を細めるばかりだった。



「隠し階段だ」



 突然声がしたのは教会への入口からで、竜喜だった。絨毯の下に隠されていた隠し階段。そしてその奥にあった隠し牢の事を全員に聞こえるように伝えた。それにあの言葉は、古代語で『終わりへの道』を意味するらしい。古代語を習得した経緯も話し、少なからずその言葉を告げるのが最低限のルールと竜喜は推測した。



「レジエ、レール……クァース」



 ヤマノはおぼつかない口調でそう言うと、金の髪の女について聞いた。



「それは昼の顔。月夜では絶大な力を要求される」


 それだけ言葉にした白の処刑人は、「レジレエーラ・クォード」と、言葉を繋ぎ、また口を閉ざした。



 その意味は『未知は示した』との事。おそらく仮に合言葉のあの言葉を言っても、全てについて教えてくれたり、連続で答えてはくれないのだろう。

 そう、彼女はナビゲーターの役を担っているに違いないが、ヒントだけでは脱出は不可能。実際の調査、行動が未来を切り開くことは間違いない。5人はその意識を固め、直ぐに行動を始めた。

【センス・元FBI】
特別な前歴を示す。
諸事情で引退したものの
その調査力は一般人よりも
数多くの物を見る事が可能。
(常時アクション回数+1)

【センス・古代語】
古代の文字を読む特別な
知識を有している。
古代語自体があまり
残されていない為、
使い道は殆どない。
(自動使用)

金色の鍵

美しく金色に輝く鍵。
鍵としての使い道以外は
ないだろう。
素直に鍵穴を探せば
道は開けるだろう。

普通のトランプ。
特別な力は感じない。
何に使うのだろうか?

なんだよ。
カードでもして
気を紛らすのか?
そんなもんいじってる
場合じゃないだろ。
はよ動いて手掛かり
みつけろよぉ~。

 ナビンがなじる様な言葉を投げつけてくるが、全員無視したが、理に適っている。竜喜は地下遺跡に行くと言い残し真っ先に動き出す。残った四人も早速次の行動に移ることにした。

1回移動と
3回アクション可能

【各部屋でのアクション】
室内調査  :部屋全体を調査
スポット調査:特定の場所を指定して調査
アイテム調査:アイテムを調査
アイテム使用:対象を指定してアイテム使用
センス使用 :特定の対象を選択しセンス使用
手番スキップ:任意の回数手番をスキップ


【マップ】どの部屋からでも移動可能
暖炉のある部屋
 寝室    ◎調査済み
 調合室   △鍵が掛かっている
 書庫
 食堂    ◎調査済み
  酒樽倉庫 ◎調査済み
 教会
  隠し牢
 階段室   ◎調査済み
  螺旋階段 ◎調査済み
   地下聖殿
   地下遺跡
  格子窓の部屋


【スポット調査】
暖炉のある部屋
 ・白の処刑人「レジエレール・クァース」

書庫
 ・適当に手に取ってみる
 ・掲示板

格子窓の部屋
 ・金の髪の女

地下遺跡
 ・壁の文字
 ・黒い棺

地下聖殿
 ・左右にある本棚   
 ・黒の司祭

隠し牢
 ☆室内調査
 ・金色の鍵穴の牢獄
 ・鍵穴のない牢獄
 ・一番奥の牢獄

竜喜    
▼センス  夜目 洞察力 古代語
●アイテム 金色の鍵
■運命値  11

アスカ
▼センス  薬学
●アイテム 邪気を帯び浮遊する遺物
■運命値  2


▼センス  器用な指先
●アイテム 赤き蝋燭 黒の書
■運命値  5

ドウサン
▼センス  才能識別
●アイテム 
■運命値  -4

ヤマノ
▼センス  トラブルメーカー 強運
      元FBI(アクション常時+1)
●アイテム カード・スペード
■運命値  2

リン    
▼センス  夜目
●アイテム 
■運命値  13

河岡
▼センス  薬学 アイテム詳細識別
●アイテム 青い指輪のネックレス
■運命値  10

 残り一週間となりました。自分のすべきことが複数あるなら、アイテムの受け渡しをするなど、協力して脱出を目指しましょう♪

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