「まぶたの裏道で奴が暴れるぅ~」
!?
突然のドウサンの奇声に、優と河岡は目を丸くした。あの怪しい粉のせいだろうが、ドウサンに何が起こっているのか分からなかった。
「……面白ぇ、とか言ってる場合じゃねぇか。一旦、様子看るから、優さんは、他と合流してくれ」
河岡はドウサンのことは任せてくれと言い、優に他の場所を調査するよう促す。
まぶたを掌でこすりまくるドウサンは床に背を付け転がり回る。河岡はあまりにも心配で看病することにしたが、対処方は全くない。なんとなく背中をさすったりしてやったが、ドウサンはまだまぶたの裏に何か感じるらしい。
「でんぷん頂戴でんぷん頂戴でんぷん頂戴」
ドウサンはまぶたをひとしきりこすり倒した後、やたらとデンプンを欲しがりながら、本棚の一つを探しまくる。河岡も一緒に探してあげた。
■運命値+3
当然そんなところにデンプンなどなく(まぁあったところで治るとは思わないが)、そのまま奇声をあげながら書庫を猛烈なスピードで飛び出して行った。
「ぶびぷふぇれぇけけけけけぁっ!」
その奇声が書庫に聞こえなくなるまでは暫く時間を要した。