河岡は、リンが神秘のネックレスを使用した要領で精神を集中させた。

 だが、何事も起こらない。詳細を調べたが、今それだけの力が解き放たれた感触はなかった。河岡は来たるべき時がくれば、必ずこの青い指輪のネックレスを使う事だろうとポケットに大切に直した。





 上階への階段を調査し始めるアスカ。

 階段を上ると、扉のない部屋が見えた。階段から覗くとその部屋の壁には、格子状の窓がある。

 ⇒ 格子窓の部屋へ移動可能になった。



 念の為、河岡もチェックするが他に怪しいところはない。

 そのまま、アスカと優が踊り場をチェック。やはり竜喜が調べた以上に、何もないようだ。

 優はさらに装飾も確認するが問題はなかった。





 一通り、階段室の調査を終えた面々に、アスカが調合した薬品を見せた。

 薬学のあるアスカが作った物なら大丈夫だろうと、それぞれが受け取り、早速喉の奥に流し込んだ。

 ピンクアンプルを不自然なほど勢いよく飲むアスカ。見ていた者が「あれ? これってこの人も効能分かってないのか?」と思わせたが、誰も口に出来なかった。

 アスカはどうやら気力が充実してきたらしい。それどころか、その気力は全員に伝播したかのようだった。

 次回全員アクション+1
 〇ピンクアンプルを失った。



 水っぽい水、つまり水を飲むヤマノ。少し飲み方が特徴的だが、誰もそのことに言及はしない。
 当然それはただの水なので、ヤマノの喉を潤わす以外に何もなかった。

 ヤマノが水を飲んだだけだったが、それを脇で見ていた竜喜が目を見開いた。そしてツカツカとヤマノまで近付き言った。



「あんたあの元FBIのヤマノだろ?」



 階段室に居た面々は驚きを隠せなった。ヤマノの素性とそれをどうゆうわけか見破った竜喜。

 竜喜が言うには、今は引退した凄腕のFBI捜査官のドキュメンタリー番組があったらしい。その引退したFBI捜査官が水を飲む姿が特徴的で記憶に残っていたらしい。背格好も顔立ちも、今思い出せばそっくりだったというのだ。そしてそのFBI捜査官の名はヤマノだったとはっきり覚えていたのだ。番組の内容は、捜査官の職務と上部機関の方針に狂いがあり、自身の信念を曲げぬ為に離職したとのことだった。

 竜喜の洞察力と記憶力からの推測を聞き、全員の視線はヤマノに向けられていた。



 ヤマノは否定しなかったが、過去を語ろうとしなかった。

 ヤマノが何者であろうが、今迄と何も変わらない。だが現実なら、ヤマノの調査能力は力強いものと言えるだろう。

 ■運命値が0になった
 ▼センス・元FBIを入手した。
 〇水っぽい水を失った。





 少し暗い雰囲気になったところに声を上げたのは優だった。

「なんであんな臭い錠剤をわざわざ噛んで食ったんだ?」

 と突然リンに話しを振った。リンはなんとなく噛んでみただけだが、ここぞとばかりにおどけてみせた。

 次回アクション+2
 〇臭い錠剤を失った。



 河岡の飲んだ黄の錠剤はまだ、舌の上にあった。

「これけっこーいけるかも」

 どうやら柑橘系の味がして美味しいらしい。

 ■運命値+3
 〇黄の錠剤を失った。



 黒い粉末を飲んだ竜喜は更に元気が出てきて、書庫で掲示板を見てくると走り去った。

 次回アクション+2
 〇黒い粉末を失った。

 書庫に移動してきた竜喜。
 ドウサンが掲示板をチェックしているところだった。掲示板にはオリジナル薬品についてと、ナビゲーターの内容が書かれていた。

 様々な情報を交換しあったが、掲示板をチェックしにきた、竜喜にとっては肩透かしをくった気分だった。

 しかしドウサンは前向きに考えようと竜喜に伝える。この館の存在や怪しげな現象の事は謎だが、ある程度の法則は確実にある。

 例えばこの掲示板はどうやって内容が変わるのかは不明だが、見ている者の目の前で変化するほどファンタジックではないとのこと。誰も居なくなった後、入室すると変わっているかもしれないというのだ。

 一人一人の一つ一つの行動が、そのメソッドを少しでも判明させていることに繋がっているのだと励まされた。



 竜喜はドウサンの前向きな声に心が軽くなった。そして目をギュッとつぶって天井を仰ぎ、大きな声で気持ちを発散させた。

 リンは階段室を出て教会に来ている。
 そしてステンドグラスに近付き見上げる。何も変なところはない。リンは不意に良からぬ事を考えた。このステンドグラスの向こうに何かあるのでは?
 リンは十字架の下にあった花瓶をおもいきり振り上げていた。

「頭で考えるより心の声を聞け! そして実行する時は大胆にだ!」

 花瓶はステンドグラスと共に粉々に砕けた。全く罰当たりだ。そう思ったが、どこかスッキリしたリンだった。そしてステンドグラスの奥には何もなかった。誰がやったかバレて良い事はない。さっさとここから退散した方がいいだろう。直感がしたのだが、完全に気のせいだった。

 ■運命値-1



 割れたステンドグラスの形で運命が分か……れば良いんだけどね。リンは開き直って誰も居ない教会でセラセラと笑ってみせた。

 ■運命値+1

 ヤマノは階段室から離れ寝室に来ていた。少し一人になりたかったのか、気付けばここに来ていたのだ。



 まさか表面上とはいえ、自分の素性を知る者がいるとは。ローカル番組とはいえ、公共の伝播に関わったからにはしょうがないことだが……

 ヤマノは自身の顔を鏡に写す。



 ※センス・トラブルメーカー所持

 元FBIの直感なのか、どうも気になったので鏡の裏を除いたヤマノ。何もない。気のせいか。ヤマノは鏡を戻した。

 鏡を元の場所に戻したつもりが、壁に掛け損ねたらしく落として割ってしまう。「あ~ぁ~」またやってしまったという感じのヤマノは、割れた鏡を拾い集めようとした。

!?

 あれ!? 何だろう?
 割れた鏡の中に何か隠されていた。

 ●封がされた手紙を入手した。
 木枠の鏡を調査できなくなった。



 そのシーンを一部始終を入口で見ていたドウサン。苦笑しながら「流石元FBI♪」と茶化す。

 竜喜から聞いたホカホカの情報をさっそく屈託なく使う。通常、何か暗いものを感じ、腫れ物に触らぬようするものだがドウサンは違った。

 ヤマノも苦笑を返し、ベッドに腰を下ろす。そして封がされた手紙を元FBIの実力だと言わんばかりにドウサンに見せた。

 ■運命値+1
  さらに、センス・強運で+1


「何か怖いな」とドウサンは言いながら、緑の錠剤と水の錠剤を同時に口に放り込んだ。

「あ、ちょっと調子乗り過ぎたかも……」

 ドウサンは少し気分が悪くなってヤマノが腰を掛けているベッドにつっぷした。

 ■運命値-2
 〇緑の錠剤と水の錠剤を失った。

 アスカと優と河岡は、螺旋階段に来ている。

 螺旋階段には灯がなく、目が慣れてきたと言えど僅かに足元しか見えなかった。アスカは階下まで進んでみると、道は二つに分かれ、二つの看板があった。

 優は調査しようとしたが、殆ど何も見えない。

ジャリ!

 何も見えなかったが、床の一部に砂がある事が足の感覚で分かった。

 ⇒ 床の砂をスポット調査可能になった。

暗ーな。
何にも見えねー
じゃねーか。
おい聞いてんのか?

「五月蠅いぞ、ナビン。そんなこと分かってる。もちっとマシなナビゲート出来ないのか?」

「ナビン? はぁ?」

「お前の名前だよ。ナビゲーターなんだろ?」

「違ぇーよ。俺はこのうざったい館を出たいだけだ。ナビゲーターなんて役目は知らねーっつの」

「ナビンじゃなかったのか? まぁいい。喋る時はマシな事を頼む」

「何を口にするかは俺の勝手だ」

 始めてナビンの声を聞いた、優と河岡は言葉を失っていたが、アスカは慣れてきたのか、少し会話を楽しんでいるようにも見えた。

1回移動と
3回アクション可能

【各部屋でのアクション】
室内調査  :部屋全体を調査
スポット調査:特定の場所を指定して調査
アイテム調査:アイテムを調査
アイテム使用:対象を指定してアイテム使用
センス使用 :特定の対象を選択しセンス使用
手番スキップ:任意の回数手番をスキップ

【マップ】どの部屋からでも移動可能
暖炉のある部屋
 寝室    ◎調査済み
 調合室
 書庫
 食堂    ◎調査済み
  酒樽倉庫 ◎調査済み
 教会
 階段室   ◎調査済み
  螺旋階段
  格子窓の部屋

【スポット調査】
調合室
 ・薬品調合(液体・粉末各一つ選択)
   液体
    ・透明な液体
    ・煙が上がる液体
    ・壺に入った粘液性液体
   粉末
    ・ザラザラする粉
    ・刺激臭のする粉
    ・真っ黒で光る粉

暖炉のある部屋
 ☆室内調査
 ・丸テーブルのサイコロ

書庫
 ・適当に手に取ってみる
 ・掲示板

教会
 ☆室内調査

螺旋階段
 ☆室内調査
 ・階段の手すり
 ・右の看板
 ・左の看板
 ・床の砂

竜喜    
▼センス  夜目 洞察力
●アイテム 赤いカプセル 青いカプセル
■運命値  8
 次回アクション+3

アスカ    
▼センス  薬学
●アイテム 白い粉末
      邪気を帯び浮遊する遺物
■運命値  2
 次回アクション+1

優    
▼センス  器用な指先
●アイテム 赤いカプセル 赤き蝋燭
      黒の書
■運命値  5
 次回アクション+1

ドウサン    
▼センス  才能識別
●アイテム 怪しい粉
■運命値  -2
 次回アクション+1

ヤマノ    
▼センス  トラブルメーカー 強運
      元FBI(アクション常時+1)
●アイテム カード・スペード 封がされた手紙
■運命値  2
 次回アクション+1

リン    
▼センス  夜目
●アイテム 
■運命値  7
 次回アクション+3

河岡    
▼センス  薬学 アイテム詳細識別
●アイテム 青い指輪のネックレス
■運命値  5
 次回アクション+1

 前回の表示で、教会の室内調査の表記がありませんでした。今回から表記しておきます。

 神秘のネックレスの効果で非表示になるのは、隠し要素がなく、二回目以降で何もないのを確認してからになります。

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