竜喜は寝室に来ていた。
 さっき調合室を出た時、廊下でリンと情報交換し、調べたと聞いていたが、違う目で確かめると何かあるかもしれないと思ったからだ。

 だが室内全体には怪しい物はない。

 それにベッド、木枠の鏡にも変わったところはない。



 一見、無駄足にも思えた竜喜だったが、一つづつ見るべき場所を潰していくのも重要と、前向きに考える事にした。

 ヤマノは適当な本に手を伸ばす。偶然が味方をしてくれるはずだと。

 どうやら手品の本だ。今、脱出する為に必要ではないだろう。

!?

 最後のページに何かカードが挟まっている。

 ⇒ ●カード・スペードを入手した。



 そしてなんだか背表紙が気になる本を手に取る。この国の歴史だ。全く現状必要ないと言い切れる内容だった。ヤマノは静かに本棚にその本を戻した。

 優とリンが食堂の調査を終えた頃、河岡が食堂にやって来た。

「食堂って、何か振舞って……はくれねぇわな」

と何やら少し楽しんでる風さえも感じる雰囲気で、そして一直線に燭台の方へ歩いていく。

 そしておもむろに蝋燭を挿した。

 燭台の根元には一本のマッチがあった。河岡は迷いなく火を点けたが何も起きなかった。

 ⇒ 火の点いた蝋燭をスポット調査可能になった。
 ⇒ 〇蝋燭を失った。



 そして、優の持っている書物を見て

「あーっと、その物騒そうな本貸してくれねぇか?」

と、優に一言。優は不思議な顔をみせたが、言われるまま、河岡に黒の書とついでに赤い宝石も見せた。

黒の書

死と終わり、
そしてその美しさが
書かれている。
大きく翼を広げた
女性のヴィジョンが
一瞬浮かび上がった。

 他の物と違い、はっきりとした用途が分かりにくい。だが河岡は、優にしっかりと中身を読んでおいた方がいいかもしれないと伝えた。そして赤い宝石の識別に取り掛かった。

赤い宝石

高価そうに見えるが
そもそも宝石ですらない。
熱に掲げるとその正体を
知る事になるだろう。

 宝石じゃない!?

 優は驚きを隠さなかった。手に持った感じは完全に鉱物に違いないのに……



 少し集中しすぎた河岡は、豪華な椅子にスラリと座り一呼吸ついた。


 優は参考になったと河岡に礼を告げ、暖炉のある部屋に戻ってみると伝えた。リンも一緒に向かう事になった。

 壺に入った
 粘液性液体
  +
ザラザラする粉

 ●水の錠剤

煙が上がる液体
   +
ザラザラする粉

●邪気を帯び
浮遊する遺物

煙が上がる液体
   +
刺激臭のする粉

 ●黒い粉末

煙が上がる液体
   +
真っ黒で光る粉

●水っぽい水

 調合室では、お笑いパートを進めるドウサンとアスカがとんでもない薬品を調合し終えたところだった。

 ドウサンは●水の錠剤を入手した。

 アスカは●邪気を帯び浮遊する遺物と●黒い粉末と●水っぽい水を入手した。



 ドウサンはなんだか怖くなって、愛想笑いしながら、調合室を後にした。

 リンは暖炉のある部屋に着くなり、サイコロが振りたくなって振りまくった。

 不意に本当にこんな事をしていて良いのだろうかと不安な気持ちが押し寄せてきたリン。

「イイ感じの目だ」と、根拠のないイイ感じを嘯いてみせた。そこへドウサンとヤマノが現れた。ヤマノはお手本を見せてやろうと振ってみせた。

「⑤だ」

 と何故か格好良くキメたヤマノ。リンとドウサン、そして扉を調べている優までなんだか笑ってしまった。



 そしてその閉ざされた扉はというと、やはり鍵が必要だろう。

 念の為、優は銀色の鍵をしっかり確認してみた。

銀色の鍵

鍵というだけで
テンションがあがる。
イケてる感じがする。

 なんだか調査というより、優の心の声が漏れているようだ。

 そして優は閉ざされた扉に向きあった。

 !?

 四人とも「どうせこれで開くんだろ」とタカをくくっていたが、鈍く鍵を回した瞬間、弾けるような音を鳴らして銀の鍵は溶けてしまった。

 顔を見合わせる四人。どうするんだという雰囲気が流れた時、優が握っていたドアノブがスルッと動いた。

 ですよね、と現実を突き詰めない感じで胸を撫で下ろした四人は、扉の奥を覗いてみる。
 短い廊下の先に、大きな階段がある部屋が見えた。

 ⇒ 階段室に移動可能になった。
 ⇒ 〇銀色の鍵を失った。





 そして合流ついでに、ドウサンは優とヤマノの才能を識別することにした。

【センス・器用な指先】
手先を使用する
繊細な作業をこなす才能。
一般人がどれだけ苦労しても
出来ない作業が可能。
(自動使用)

【センス・トラブルメーカー】
純度100%の天然さで
悪気なく色んなことを
しでかしてくれる。
結果が良いことも
悪いこともある。
(自動使用)

【センス・強運】
運命値を得る時に
より多く得る可能性がある。
(自動使用)

 運命値。自然にそんな言葉がドウサンから出た。まるで最初から知っていたかのようだが、完全に無意識だった。何か大きな力が働いているのだろうか。

◇機能解放
運命値表示

内部設定の内の一つ
特定のアクションや
様々なシーンで増減する値。

運命を左右する値で
これ以降は増減時と
話ごとの現状運命値が表示される。

1回移動と
3回アクション可能

【各部屋でのアクション】
室内調査  :部屋全体を調査
スポット調査:特定の場所を指定して調査
アイテム調査:アイテムを調査
アイテム使用:対象を指定してアイテム使用
センス使用 :特定の対象を選択しセンス使用
手番スキップ:任意の回数手番をスキップ

【マップ】どの部屋からでも移動可能
暖炉のある部屋
 寝室
 調合室
 書庫
 食堂
  酒樽倉庫
 教会
 階段室

【スポット調査】
暖炉のある部屋
 ・火の点いた暖炉
 ・質素なシャンデリア
 ・L字型のソファ
 ・丸テーブルのサイコロ

寝室
 ・ベッド
 ・木枠の鏡
 ・絵画
 ・木箱に見えた犬小屋

調合室
 ・天秤
 ・整理されていない棚
 ・柱時計を徹底的に調査
 ・薬品調合(液体・粉末各一つ選択)
   液体
    ・透明な液体
    ・煙が上がる液体
    ・壺に入った粘液性液体
   粉末
    ・ザラザラする粉
    ・刺激臭のする粉
    ・真っ黒で光る粉

書庫
 ・背表紙が気になる書物
 ・とても古い書物
 ・適当に手に取ってみる
 ・掲示板

食堂
 ・豪華なテーブル
 ・豪華な椅子
 ・火の点いた蝋燭
 ・煌びやかなシャンデリア

酒樽倉庫
 ・手前の酒樽
 ・上に積まれた酒樽
 ・蛇口がついた酒樽
 ・倉庫の奥

教会
 ・十字架
 ・ステンドグラス

竜喜    
▼センス  夜目 洞察力
●アイテム 赤いカプセル 青いカプセル
■運命値  3

アスカ    
▼センス  薬学
●アイテム 青いカプセル 黄の錠剤 
      ピンクアンプル 白い粉末
      邪気を帯び浮遊する遺物
      黒い粉末 水っぽい水
■運命値  1

優    
▼センス  器用な指先
●アイテム 赤いカプセル 赤い宝石
      黒の書
■運命値  3

ドウサン    
▼センス  才能識別
●アイテム 怪しい粉 緑の錠剤 水の錠剤
■運命値  0

ヤマノ    
▼センス  トラブルメーカー 強運
●アイテム カード・スペード
■運命値  1

リン    
▼センス  夜目
●アイテム 神秘のネックレス
■運命値  7

河岡    
▼センス  薬学 アイテム詳細識別
●アイテム 青い指輪のネックレス
■運命値  2

運命値解放と久々の新たな部屋。
何をするか迷いますが、自分にしか出来ないことがあれば、それをしてみるのもいいかもしれません。

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