木と融合したシャドーを倒した敬介の前に、

認証試練参加者の仁と修太が現れた。

第三試練開始から30分が過ぎ、

すでに参加者同士の戦闘は認められている。

やっぱり。

何がだ?

参加者同士の戦いが認められるって聞いた時に、お前が真っ先に狙ってきそうな気がしたからな。

俺もそのルールを聞いて、お前と戦おうって決めてたんでな。

じゃあ、お互いに都合がいいってことか。

その通り。
やるか?

もちろん。

敬介と仁は睨み合い、

広間で揉めた時の決着をつけようとしていた。

仁さん。
邪魔しちゃ悪いんで、俺はその辺でシャドー倒してきます。

修太は手を振り、

その場を離れていった。

しかし、

声をかけられた仁だけではなく、

敬介にさえも修太の声は届いておらず、

目の前の相手に意識を集中している。

そして、

敬介は右足。

仁は右手へと光力を纏い始める。

…………。

…………。

仁の右手には、

長さ70cm程の斧が握られていた。

光の斧……、物体型か。

いくぞっ!!

光の斧を両手で持ち、

後頭部まで振り上げると、

ぞのまま地面に叩きつけた。

くっ!!

斧の衝撃でえぐられた地面は、

土や石を舞い上げながら敬介に向かっていった。

こいつも下手に近づけないな。
だったら木の化け物と一緒だ。

腱撃波!!

なんだそりゃぁ。
腰抜けが。

っらぁー!!

間合いを詰めることを危険と判断し、

離れて攻撃することにした敬介だったが、

腱撃破はあっけなく打ち消されてしまう。

ダメか……。

その程度の実力なら、カラウってのもたいしたことねぇな。

てめぇ、また言いやがったな。

そうじゃねぇか。
灯でさえ敵視してるようなヤツなのに、その弟子がこう腑抜けじゃな。

なんで協会に敵視されてんだよ?

お前、カラウに何も聞かされてないのか?

あ?どういうことだよ。

“異端のカラウ”、ヤツは敵であるシャドーを光術士にしようとした男だ。

シャドーをだと!!

第3章--認証試練編--(83話)-第三試練④-

facebook twitter
pagetop