それは、とある午後の授業中のこと――

安見

午後の授業は眠くなるなあ・・・

小林

あと30分だろ!我慢しろよ・・・

大田先生

そこ!黙らないと剝製にして昇降口に飾るわよ!!

安見

ご、ごめんなさいっ!!

小林

うちの担任の言うことは脅しじゃないからなあ・・・

と、大田先生の説教でクラスの雰囲気が引き締まったまさにそのとき――

安見

な、なんだこの爆音は!!

小林

ヘリコプター??

安見

オスプレイがあんなに低空を飛んでる!!

小林

もしかして、校庭に着陸するつもりじゃ・・・

小林の予想通り、オスプレイはトロロ学園の校庭に着陸した――

そして、機内から怪しげな白人男性が降りてきて――

コンニチハ!波見馬サンイマスカ?

波見馬

はい・・・私ですけど・・・

昨日ゴ注文ノ先行者ロボ3トン、オ届ケニ来マシタ!!

波見馬

さ、3トン・・・!!

先行者ロボ

波見馬

私、うちのお店のディスプレイ用に3体だけ注文したつもりだったんですけど・・・

NO!!ウチハ卸シ専門ネ!注文トン単位ダケヨ!!

小林

さ、3トンって!!

安見

何体分になるんだよ!!

1万体デ5億円ニナリマス!

波見馬

ご、5億円!!

波見馬

そんなの無理・・・。注文取り消します!!

FUCK! NO RETURN OK!

返セナイナラ、アラブデ一生、大富豪ノメイドニ成ッテモライマス!!

安見

えええっ!!

波見馬

え、う・・・嘘でしょ・・・

大田先生

ちょっと!!今はまだ授業中よ!!

大田先生

波見馬さん、今、払えないんだったら、とりあえず金田君にでも立て替えてもらいなさいよ!

大田先生

バイト代が出てから、金田君に返せばいいでしょ!

安見

そうだ!!うちのクラスには金田がいるんだ!

小林

5億円立替えろって・・・いくらなんでもムチャぶりすぎだろ・・・

金田 満

え、ぼ、僕が立て替えるんですか・・・!?

波見馬

いくら金田君でもそんなお金は・・・

大田先生

うるさいわね!!私は授業の邪魔されんのが大嫌いなの!!

大田先生

それとも、二人とも昇降口の剥製になりたいの?

金田 満

わ、分りました・・・カード払いで・・・

OK! 毎度アリ!! オオキニデス!

カード決済を済ませると、怪しげな白人男性は、校庭に積んでいた大量の木箱を残し、満足そうに帰っていった――

安見

とりあえずこの場は収まったけど・・・

小林

これは大変なことになったぞ!!

116.波見馬商店大量誤発注事件 (その1)

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