闇の墓標がアイテムリストに追加されました。

そんなメッセージと共に、俺の背後に大きな墓標が現れた。

里宮 一真

う……うおおおおおおおっ!? 何だこれ? 超重くて動きにくい

???

ねえそれ、むしろ持っているとデバフがかかるアイテムなんじゃ

里宮 一真

どれどれ……げげっ! 俺の俊敏性だけが半分も減ってやがる!!

???

今すぐ捨てなさいよ

里宮 一真

当たり前だ。こんなもの……お、おい! このアイテムだけ削除不可になってるんだが!?

???

ご愁傷様……さあ、先に行くわよ

里宮 一真

お、おい待ってくれよ!

必死に女の後を追いかける。無駄に体力を使っている気がするが……

里宮 一真

なあ、まだ着かないのか?

???

私に聞かれても分かんないわよ。あんたのモンスターでしょ? その狼

ボス部屋が何処かも分からないからと、道案内は全てシルバーウルフに任せていた。

グルルルルルルルルルルッッ!!

そのシルバーウルフが、立ち止まって低い唸り声を上げていた。表情もどこか険しい。

そして、メッセージが視界の端に現れる。

この橋に足を踏み入れれば
離脱不可のイベントが
発生します!!

里宮 一真

この先、おそらくボス部屋だぞ

???

やっとね。迷うことなんてないわ。行きましょう

里宮 一真

ああ、行くぞ!!

そうして、一歩踏み出して。

ビー

ビー

ビー

と。そんな音が響き渡った。

???

な、何!?

里宮 一真

橋が崩れている! 走れ!!

さっきまで立っていた場所が、ボロボロとジェンガのように崩れ去っていく。女の腕を掴み、前に投げ出した。

???

あんたも、速く!!

足に力を込めて全力で走るが、何故か思うように前に進まない。どのくらいまで迫っているかと後ろを振り返る。気付いた。

里宮 一真

この墓標のせいじゃねえかっ!!

思わず突っ込んだ。だけど、その一瞬に、崩壊する橋の一部に右足が引っかかった。

体が揺れる。重力に逆らって、頭と足元が入れ替わる。

ふわりと、体が浮いたような感覚に襲われた刹那。

里宮 一真

!?

ワフゥ

シルバーウルフが俺の服を噛んで、無理やり引き上げる。

???

ギリギリセーフ、と言ったところかしら?

里宮 一真

ああ。助かったぜシルバーウルフ。お前にはいつも助けられてばか――

ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオおオオオ!!

???

!? ちょっと、そんなことしてる場合じゃないわ。来るわよ

里宮 一真

ああ。ようやっとのラスボスだ。行くぞ

ダークナイト・オルタ LEVEL900

黒い霧が辺りを包む。

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

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