桐谷 シルク

ここは? 嘘、やっぱり私、大樹を置いて・・・

黒須 美幸

!? 桐谷さん! よくご無事で!

綾瀬 咲月

シルシル、よくやった

藤峰 明人

これで心配事はなくなったか

白石 未筝

またそろってよかったよ。やっぱり誰か一人でも欠けちゃ悲しいからね

涼紘 夏美

私はシルクの事信じてたんだからね

羽鳥 宇美

まあ、私もだけどね

三枝 美樹

また、みんなで一緒に遊べるね

青葉 桐斗

そうだな。またこの九人で旅行にでも行こう…

皆の安心した顔を見て、私も一瞬だけ良かったと胸を撫で下ろす。だけど、おかしい。何かが、胸に引っかかる。

桐谷 シルク

九…人?

白石 未筝

ここにいる九人でだよ。皆でいてこそでしょ?

藤峰 明人

男が二人しかいないってのはちょっと悲しいけどな…

青葉 桐斗

それでも楽しければ気にならないさ

桐谷 シルク

ちょっと待って! 九人って、大樹は!? 大樹は今大変なことになってるのよ! 私を助けるために、最後の花を使って…それなのに!

そんな私の言葉に帰って来たのは、信じられない一言だった。

大樹…誰だそれは?

藤峰 明人

お前の知り合い?

都 大樹

みんなは、もう僕のことを忘れてしまっているだろうか…

誰もいない部屋でポツリとつぶやく。

あの時、女性にミヤコワスレをもらった時に言われた、あの言葉を思い出しながら。

この花を始めて使うあなたに、一つだけ言わなければいけないことがあります

都 大樹

何ですか?

このミヤコワスレと言う花は、そもそも『ミヤコ』という名前の人にしか使えません。そして、花の力で作られた世界にいる仲間をみな助け出した後、あなたが五分以上こちらに戻らなければ、あなたの存在が、こちらの世界の人々から消えてしまいます

都 大樹

それは、その後に僕が戻って来た場合もそのままなの?

いえ、あくまで帰れなかった人を覚えたままでは辛いだろうという救済処置なので、皆が忘れた後に戻れば記憶は戻りますが...大事なのは、もしあなたがあちらの世界に残された場合、こちらの世界にあなたを覚えている人はいないということです

都 大樹

でも、もしかするとそれはありがたいことなのかもしれないですね。分かりました、気を付けます

都 大樹

ごめんね、みんな

涼紘 夏美

ねえ、その大樹っての誰なの?

羽鳥 宇美

どういう関係?

桐谷 シルク

それは…だから、えっと・・・

三枝 美樹

それより、何だったっけ? その人の名前

桐谷 シルク

それは。…あれ? 誰だっけ。私は誰のことを考えてたんだっけ

皆の言葉に、私は答えることが出来なかった。

* * * * *

こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。

予定より伸びましたが、次回最終回です! 最後まで見てもらえると嬉しいです(^^♪

ちなみに、今回の背景の中に重要なヒントがあったりします。考えてみたら、次の展開が分かるかもですね。

それでは、今回はこの辺りで失礼します(*- -)(*_ _)ペコリ

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