都 大樹

それにしても、藤峰はどうやって僕が本物だと突き止めたんだ?

二手に分かれる前に、気になっていたことを聞く。藤峰は足を止め、振り返って言う。

藤峰 明人

そんなの簡単だよ。お前が俺のことを知っていた。それだけで十分だ

都 大樹

それはどういうことだ?

藤峰 明人

思い返してみろ。この世界で出逢ったみんなは、初めはお前のことを知らなかっただろ? 都はあの女性の話を聞いてなかっただろうが、彼女は言っていたぞ。「不運にあった君の友達は、あちらの世界では記憶を失う。だけど、君と先に行ったあの少年だけは記憶を保ったままだ。それと、偽物も記憶は失っている。が、もしミヤコワスレを目にした者が消えずに留まっていたら、それは偽物だ。やつらそれを機に少しづつ記憶を呼び起こし、君たちの邪魔をするだろう」ってな

都 大樹

だとしたら、白石や涼紘達にも早めにミヤコワスレを渡した方がいいな

藤峰 明人

もうあいつらにもあったのか? 本物…だろうな?

都 大樹

ああ、彼女たちは本物だと思う。僕のことを覚えてもいなかった。それに、もう一人の偽物は美樹ちゃんだろう? だったらやっぱり、彼女たちは本物だ

藤峰 明人

そうだな。じゃあ俺があいつらに会った時には、ミヤコワスレを渡しておくよ

都 大樹

よろしく頼む。それじゃあ、また後で

藤峰 明人

ああ、後で会おう

風に揺れた緑の葉っぱが僕たちの間にひらひらと堕ちる。

それを合図に、僕たちは別々の道を行く。

* * * * *

こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。

ようやく物語も佳境に入った気がします。展開は頭に入ってるので、更新速度が追いつければなと思っています。

昨日あたりから、熊本は一気に寒くなりました。皆さんの住む地域はどうでしょうか?

気温の変化が激しいと風邪をひきやすくなるので、お身体には気を付けて下さい。

それでは、今回はこの辺りで失礼します
(*- -)(*_ _)ペコリ

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