都 大樹

あの事故で確実に巻き込まれたのは、青葉と綾瀬だ。それと、藤峰は知らないかもしれないけど、黒須って子も、一緒だった。僕が知ってるのは、そこまでだ

藤峰 明人

申し訳ないが、あの後消防の方から身元確認のための連絡があった。涼紘と咲月と羽鳥、それから白石の4人は手遅れだった

都 大樹

やはりそうか。でも、だったら桐谷と美樹ちゃんは?

藤峰 明人

少なくとも、三枝と桐谷は大丈夫だ。桐谷は母校の鵺夜高校に帰っていたし、三枝は観覧車から出てきたら身柄を確保してくれって、緊急事態と係の人に頼んだからな

都 大樹

じゃあ、やっぱりあの桐谷は・・・

藤峰 明人

ああ。俺がやった。これはお前には着かえなかったとあの女性が言っていたことだが・・・

あの少年はひどく慌てすぎていてとても話を聞くような状況じゃなかったけれど、君は幾分か落ち着いているね。いいかい? 大切なことを話すからちゃんと聞くんだよ

藤峰 明人

落ち着いているように見えても急いでいるんだ! 早くしてくれよ

ああ。分かっているさ。その「ミヤコワスレ」は、確かに君たちを作り物の世界に送り、チャンスをくれる。だけど、もちろんデメリットもあるんだよ

藤峰 明人

それでも構わないさ

分かってる。だから、これだけだ。『偽物に気を付けろ』。この花を使う時、同時に君を惑わせる偽物が現れる。あの少年と君とで、丁度二人分の偽物だね。そいつらは君や君が助けたい人たちをその世界に閉じ込めようとする。だから気を付けるんだ

藤峰 明人

気を付けるよ。じゃあ、行って来る

行ってしまったか。一日に二人も送るなんて・・・おや、君も来たのかい? あの少年たちの友達だね?

都 大樹

偽物・・・じゃあ少なくともあとひとりは偽物がいるって事?

藤峰 明人

まあ、そうなるな

都 大樹

でも待って。そもそもこんな事知ってるんなら、何で初めに声をかけた時に教えてくれなかったんだ? 僕の事を知らないふりまでして

藤峰 明人

あの時は隣に青葉がいただろ? あの段階で俺にはまだ青葉が本物かどうか分からなかったからな。もし偽物なら、俺たち二人が異物だとバレていたはずだ

都 大樹

それもそうか。待って! 僕は他に、この世界に美樹ちゃんがいるって聞いたんだけど

藤峰 明人

何!? だったら決まりだ。三枝美樹。それが最後の偽物だよ。おい、都。終わらせるためにも、二手に分かれて三枝を探すぞ!!

都 大樹

お、おう

藤峰の気迫に押され、つい同意の返事をしてしまう。だけど、僕の頭から、あの人がずっと離れなかった。

あらあら? それは私の事ですか? 嬉しいですね、想っていただけて

まあでも、私が誰かなんて絶対に教えませんけどね

* * * * *

こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。

あと一ヶ月で終わるかとても不安です。ですが完結させたいので、削りながらも頑張ります。今回地の文がほとんどなかったです(笑)

先日校閲ガール見たんですけど、私の文章もチェックしてほしいです。

それでは、今回はこの辺りで失礼します(*- -)(*_ _)ペコリ

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