カティア

もう・・・何度も何度もしつこいなあ

 天空の城。いや、今は神の社と言った方が正しいのか。

 兎に角、大幅なアップデートによって変貌を遂げたその場所で、神は言った。

カティア

これでもう44回目だよ。いい加減にしないと、私も君だけを相手にしてていいわけじゃないんだから。最終奥義、使っちゃうよ?

 可愛らしさも、ツンデレっぽさも感じさせず、ただただ面倒くさそうに彼女は言った。

 俺も負けじと、44回目になるであろう台詞を言う。

里宮 一真

だから一回でいいから俺と本気で戦ってくれって!!

 あの壮絶な戦いから三ヶ月ほどが経った。カティアは無事神の座を取り戻していた。

 相変わらず素直じゃないし、今回のプレイでは本当に俺の初期ステータスは全て平均値以下だった。

カティア

しょうがないなあ。まあ、君とここで会えるのも最後かもしれないし。少しだけ相手してあげるよ

里宮 一真

本当か!? よし! じゃあカティア、遠慮はするなよ。全力で来い!!

 予想外の返答に俺はすぐさま右腕に巻かれた多機能腕時計を操作する。

決闘を開始しますか?



はい   いいえ

 そんな文章が表示されると、速攻で「はい」の方をタッチする。

 今頃はカティアの方にも同じ文字が表示されているはずだ。それを彼女が承認すれば、あとは合図とともに戦闘が始まる。

 カティアを見ると、ちょうど右手の人差し指が画面に触れるところだった。

里宮 一真

え? まさかこれが開始の合図?

 学校のチャイムさながらの電子音に俺が戸惑っていると、カティアのつぶやきが聞こえた。

カティア

・・しろ

 その一瞬だけで灰色の雲は晴れた。見慣れた光景が広がっていた。

 だけど。

里宮 一真

があっ!!!

 直撃した落雷に悲鳴を上げる。痛みはない。だが、その事実だけで心が悲鳴を上げずにはいられなかった。

カティア

君も知ってるよね? 何てったって、あの戦いで、君は目の前で目撃しているんだから

『神罰』により全ての
所有スキルが
消滅しました。

カティア

これで君は何も出来ない。ここまで登って来れないプレイヤー達よりも弱い。もう終わりだよ

 ただでさえ低いステータスに、それを補うスキルが消えた。もう、勝ち目はない。

 だから、俺は神戸を垂れたまま静かに言った。

里宮 一真

戦えただけで、十分満足さ。おかげで、俺の力の底が知れた気がする。だから、ありがとう

 言って。薄く、薄く笑って。

 呟く。

里宮 一真

——『神白』

 世界は白に染まった。

 その、世界の中で。

 白くて、白くて、真っ白な。純白な一筋の光が、

 彼女の体を貫いた。

神、カティアのスキル、
装備、ステータスが
全てリセットされました。

カティア

何で? どうして!? 私のスキルを、何故君が使えるんだ!?

 だから、やっぱり俺はこう答える。

里宮 一真

俺は天才だからな

 言って、俺は右腕をカティアに向ける。そこに表示されていた文字を読んで、彼女は言った。

カティア

そうか。君はつくづく、みんなに愛されているんだね

 画面には、電子音とともにこんな文が表示されていた。

お気に入り数40突破記念。『ハートカウンター』による新スキル獲得のお知らせ。

ALL RESET
randamSTART

場に居る人のスキルを
全部リセットして、
場に居る誰かに
全部のスキルが備わる

カティア

だけどそもそも、こんな闘いじゃ私を倒せないよ。神を倒すには、少なくとも一人は王の助けが必要なんだよ。だから、君一人じゃ絶対に無理だ

 そう漏らして、倒れたからだを起こして。

 顔を上げたまま彼女は目を見開いた。

カティア

なんっ!?

 彼女の視線の先にあったのは——

エリシア

お久しぶりやな、神様

リリア

勝手にお邪魔してすみませんね

アスカ

僕は、初めましてかな

レグヌムの国王

何故俺が、手短に終わらせるぞ

バシスの国王

お初にお目に掛かります、神様

インティムスの国王

・・・オ。  で モ   
 、。、記  ・・・・   た。。。

サルバーレの王

何故王でもないのに付いてきた?

イフリート

んなこたどうでもいいだろうが

明日奈

また、会えたね

里宮 一真

『ギフト』。自分の持つ何かを一つ引き換えに、願いを叶えるスキルだ。『ALL RESET
randamSTART』を失くすのは惜しかったが、お前を倒すためだ。仕方がないさ

カティア

分かったよ。私の負け。本当に、君は天才なんだね

 そんな音とともに、俺の勝利で決闘は幕を閉じた。

里宮 一真

おいカティア。さっきは聞き流したが、「これで最後かも」ってどういうことだ?

 場所を変え落ち着いたところで、早速俺は切り出した。

カティア

ああ、それがね。今回の『読者賞受賞』を記念して、全く新しいゲームが作られるんだって。それで、ゲームキャラとかをこのゲームから引き継ぐから、『空と大地のラグナロク』はプレイできなくなるかもしれないって事

明日奈

それって、私たちのステータスも引き継がれるの?

カティア

今のところは私と、何人かの王だけみたいだよ。プレイヤーのステータスはもちろん一新するから、ここでの力は無意味だって

里宮 一真

って事は、俺たちはまた新しい物語を舞台に冒険できるって事だな

カティア

まあそういう事。実装は早ければ一週間以内には出来るって言ってたけど

里宮 一真

楽しみになって来たな

明日奈

待って。その前に、やるべきことはやっておかないと

カティア

そうだよ。今回のことは君の手柄って訳じゃないんだから

里宮 一真

分かってるよ。んじゃ準備はいいな? 
せーのっ!!

『読者賞』が受賞できたのは、応援してくれた皆さんのおかげです。本当にありがとうございました!!

くくく。あとはここに希望の舞台の説明を打てば、ウイルスの完成だ。これを開発途中のゲームのデータ内に流し込めば、思い通りのゲームを作ることが出来る

プログラムウイルス

ゲーム設定



           】

* * * * *

こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。

早速ですが、『神に見捨てられた異世界の王』が、読者賞を頂きました。

大事なことなのでもう一度言います。

『神に見捨てられた異世界の王』が、読者賞を頂きました。

この賞だけは、文句なしに完全に読者の皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。

いつも読者の皆さんと絡みたいなと物語を書いていますので、『読者賞』=『読者さんと一番絡めて楽しんでもらえたで賞』と勝手に変換して喜んでいます。

残念なのは、レポートに追われていてすぐに結果を見れなかったことです。できるなら、この喜びを発表当日に読者さんと分かち合いたかったなと思います。

さて、ストーリー内でも触れましたが、続編を書きたいなあとか思ったりしています。新しい物語の舞台を、募集したいなあとも( ´∀` )

なので良ければコメント欄に案をお願いします。【 】で囲ってくれると、分かりやすくて助かります。

それでは、今回はこの辺りで失礼します
(*- -)(*_ _)ペコリ

Extra:読者賞受賞&お気に入り数40突破記念‼

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