物事は始めが肝心だ。

 ゲームを始めるのも、職業やステータスの割り振りが、その後のストーリーを左右する。

 論文を書く際も、まず研究テーマを決め、話の攻勢を考えなければ話しにならない。

 バイトを始めるにも、最初の面接での印象が全てを決める。

 だから。神に挑む際も、最初の行動がカギとなるのだ。

里宮 一真

さて、エリシア。俺はお前にも期待している。次はお前の番だ。存分に暴れてやれ

エリシア

もうお兄やんは人使いが荒いんやから。よっし。まあ行ってみよう

 言って、彼女は息を吸い、

エリシア

ロケットランチャー!!

 轟音を上げて、出現した謎の物体から、大量のロケットランチャーが炸裂した。

 大爆発とともに、城は煙に包まれる。

里宮 一真

そろそろ二十秒か。「八咫鏡」

エリシア

ところでお兄やん。具体的に私は何をすれば?

里宮 一真

好きにしてていいぞ。このしりとりを終わらせなければ、武器は無限に出るんだから。ところで、このゲームで出現させたものは、ゲームが終わるとどうなるんだ?

エリシア

基本的には全部元通りになるよ。だけど、お兄やんは「巨人のボロキレ」を持っていたでしょ? それに入れてれば、ゲームが終わった後に自動的にアイテム登録されて、その後は自分のものとして扱えるよ

里宮 一真

へー、そうなのか

 もちろん知っていたが。アイテムを確認した際、説明に「この袋に入れたものは全て自分のアイテムとして使用できる。ただし、持ち主のないアイテムに限る」とあったから。

 その時はこんなしりとりがあると知らずに、使えないと思っていたが、いやいや。なんとも素晴らしいアイテムだよ。

 俺はそのボロキレをエリシアに見せびらかし、そっと囁く。

里宮 一真

だったら、ありったけの食い物をこの中に入れていれば、その後も食べられるってことだよな?

エリシア

お、お兄様!! 一生ついて行きます!

 いきなり抱き着いて来て、ペットみたいだった。まあ、これで俺に協力してくれる人員、一人目確保だ。

里宮 一真

そろそろ煙も晴れる頃だ。どれ、神の姿を拝むとしよう

 向こうに見える人影。男か女化も分からないそれを見据えて、俺は装備を固める。

 神宿しの腕輪を左腕にはめ。

 神葬のペンダントを首からぶら下げ。

 雷撃の剣を右手に掴み。

里宮 一真

さあ、エリシア。神へのご挨拶と行こうじゃないか!!

 そして、エリシアも叫んだ。

エリシア

みかん!!

里宮 一真

・・・

 煙が消え、天空の城も消え、人影も消え。

 俺たちは彼女の家に戻っていた。

 右腕に巻かれた時計のようなものに、通知が来る。

アルティメット
しりとり終了

勝者・里宮一真

里宮 一真

・・・エリシア

エリシア

何でしょう

 押し黙る彼女に、俺は言った。

里宮 一真

取り敢えず、俺の下僕な?

一真は下僕を
手に入れた。

エリシア

そんな~~~

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