島 達己

「そういや お腹すいてない?」       


返事をする代わりに、ノルのお腹がぐぅと鳴り、思わず島は笑みを漏らす。


島 達己

「何か作るよ」                      
   

島はキッチンに向かおうとするが、後ろから、引き止める力に足を止めた。
振り返ると、ノルが控えめにスーツの裾を引いている。

NOL

「俺も」                
   

NOL

「俺もする」                 
   

ノルが不思議な色をした瞳でジッと見つめてくる。
光の加減で色を変える彼の瞳は、とても印象的で見とれてしまう。

島 達己

「……」                    
   

NOL

「…ダメか?」                 
   

島 達己

「もちろん いいよ」                    
   

島 達己

いかんいかん 危うくムラっときた                   
   

返答までに妙な間が出来てしまったが、不審に思われる事はなかったようだ。
島は、ノルと一緒にキッチンへ向かった。

キッチンは小奇麗に片付いている。
立一は、料理をしない為、ほぼキッチンを使用しているのは、島である。

島 達己

「そういえば 空間迷彩だっけ?
 ここの調理器具とか 使っちゃっても
 平気なのかな?」                   
   

確か以前、部屋の家具やインテリア等、そう見せているだけで質量が違っていると話していたはずだ。

ノルは、小さく頷いた。       



NOL

「チューに調整してもらった 使用して
 問題ない」


島 達己

「なら安心だ」              


島は、ジャケットを脱ぎシャツの腕を捲ると、材料を確認する為、冷蔵庫を覗いてみる。       

おにぎり

パンケーキ

島 達己

さて 何を作ろうか          
ノルちゃんも一緒に作れるものがいいね

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