島 達己

そういえば ノルちゃん寝起きだよな 



NOL

「ふぁ…」                  


島は、袖口で眠そうに目を擦るノルを至福の表情で見つめる。
      

島 達己

少し動作が鈍くて          
ぼんやりしてるのが また 


島 達己

「そうだ ノルちゃん
 眠気覚ましにマッサージしてあげよう
 か」 

NOL

「…ん?」                  


島 達己

「手を出してもらえるかな」        


島は、ノルの手を取ると滑らかに指を撫でていく。
しばらく指触りを楽しむと、ノルの中指の爪の付け根辺りを指で挟んだ。

眠気解消・快眠やリラックス効果のある中衝(チュウショウ)というツボだ。


NOL

「 ! 」                  


島 達己

「どう?」                 
 

NOL

「目が覚めた」                  


NOL

「シマ すごいな」                  


どうやら異星人にも有効だったようだ。
ノルは、大人しく島のマッサージを施されている。

島 達己

さりげなくスキンシップも図れるし  我ながら妙策だ

     
 

島 達己

それにしても…
ノルちゃん 無防備だな          

     

されるがままになっているノルに、つい悪戯心がむくむくと湧いてくる。


島はマッサージしながら、するりとノルの指の間に自分の指を滑り込ませていく。
所謂、恋人つなぎの状態である。

NOL

「シマ…?」                  


ノルも違和感を感じたのか、ピクンと指を反応させる。


NOL

「くすぐったい」                  


島 達己

「ほら ノルちゃん
 もっと力を抜いてリラックスして…」          

     

片方の手をノルの腰に回し、服の上に指を滑らせる。


NOL

「…ん」                  


ノルが小さく声を漏らすと、堪らず背を壁に押し付けた。


島 達己

「ノルちゃん」          


     

島は、間近まで顔を寄せるとノルを抱き竦め、耳元で囁く。


首筋に鼻先を寄せると、ノルから香ってくる『いい香り』が濃厚になるのを感じる。
魅惑的で、誘われているような気分になるそんな香りだ。

島は、その芳香に誘われるがまま、唇を首筋に押し当て、啄むように吸った。


NOL

「あぅ…!」                  


軽く触れる程度のキスであったが、ノルの体がビクンッと跳ねる。


NOL

「はぁ…」                  


唇を震わせ、トロンとした瞳で見上げてくる仕草がなんとも劣情を煽り立てる。


島 達己

「こういう事されるの…初めて?」     


   

戸惑うノルに、島はとびきり甘い声で囁いた。


NOL

「シマ ダメ…だ」                  


距離を取ろうと島の胸を押し返すが、その腕をも絡め取られ引き寄せられる。


NOL

「シマ… 聞いて 欲しい」                  


ノルが言葉を詰まらせ、懇願するような目で見つめてくる。
島は、はやる気持ちを抑え手を止めた。

次へ

pagetop