そういえば ノルちゃん寝起きだよな
「ふぁ…」
島は、袖口で眠そうに目を擦るノルを至福の表情で見つめる。
少し動作が鈍くて
ぼんやりしてるのが また
「そうだ ノルちゃん
眠気覚ましにマッサージしてあげよう
か」
「…ん?」
「手を出してもらえるかな」
島は、ノルの手を取ると滑らかに指を撫でていく。
しばらく指触りを楽しむと、ノルの中指の爪の付け根辺りを指で挟んだ。
眠気解消・快眠やリラックス効果のある中衝(チュウショウ)というツボだ。
「 ! 」
「どう?」
「目が覚めた」
「シマ すごいな」
どうやら異星人にも有効だったようだ。
ノルは、大人しく島のマッサージを施されている。
さりげなくスキンシップも図れるし 我ながら妙策だ
それにしても…
ノルちゃん 無防備だな
されるがままになっているノルに、つい悪戯心がむくむくと湧いてくる。
島はマッサージしながら、するりとノルの指の間に自分の指を滑り込ませていく。
所謂、恋人つなぎの状態である。
「シマ…?」
ノルも違和感を感じたのか、ピクンと指を反応させる。
「くすぐったい」
「ほら ノルちゃん
もっと力を抜いてリラックスして…」
片方の手をノルの腰に回し、服の上に指を滑らせる。
「…ん」
ノルが小さく声を漏らすと、堪らず背を壁に押し付けた。
「ノルちゃん」
島は、間近まで顔を寄せるとノルを抱き竦め、耳元で囁く。
首筋に鼻先を寄せると、ノルから香ってくる『いい香り』が濃厚になるのを感じる。
魅惑的で、誘われているような気分になるそんな香りだ。
島は、その芳香に誘われるがまま、唇を首筋に押し当て、啄むように吸った。
「あぅ…!」
軽く触れる程度のキスであったが、ノルの体がビクンッと跳ねる。
「はぁ…」
唇を震わせ、トロンとした瞳で見上げてくる仕草がなんとも劣情を煽り立てる。
「こういう事されるの…初めて?」
戸惑うノルに、島はとびきり甘い声で囁いた。
「シマ ダメ…だ」
距離を取ろうと島の胸を押し返すが、その腕をも絡め取られ引き寄せられる。
「シマ… 聞いて 欲しい」