「んじゃ 行ってき~
たっつん ノルちんの事 よろ」
その日、立一は急用で出掛ける事になった。
まだ、地球に不慣れなノルを放って置くのは、トラブルになり兼ねない為、島が呼ばれたのである。
「さて ノルちゃんと二人きりか…。 いや 悪くないね。」
玄関先から部屋へ戻ると、丁度ノルがリビングへやって来たところだった。
「シマ? おはよう」
ノルは、部屋を見回すと立一の姿がない事に気がついたようだ。
「ん…
シマ リューイチを知らないか?」
うーん
何故だか 立一に すごく懐いてるよね
「立一なら 出掛けてるよ
そういえば
鼠君の姿も見えないようだけど…?」
「チューは 転送システムの点検を してる
しばらく モニタールームに篭ると
言ってた」
「ふーん そうなんだ?」
これは、ノルと仲良くなる絶好のチャンスだ。 島は、思わず心の中でガッツポーズをした。
「シマ?」
押し黙っていると、不思議に思ったのか、ノルに顔を覗き込まれた。
思わず顔が緩みそうになる。
「あー ごめんごめん」
「そうだな せっかくだし やりたい事
とかある?」
「今日は ノルちゃんに付き合うよ」
ノルは、少し考えているようだ。