亀の恩返し

20.魔女の薬を使う。

























……聞こえる。

太郎さんの声が聞こえる。




怪我、なかったか?

子供のやったことじゃけぇ
許してやってくれ、な?


ああ、これは走馬燈だろうか。

おっ母ぁがいるから長居はできねぇけど、それでよかったら寄らしてもらおっかな

カメがそう言うんじゃなぁ


私は……私のしたことは

太郎さんのためになったのだろうか……

酒も飯も美味ぇや!
天国だなぁ、おい

私は……死ぬのだろうか……








おっ母ぁ? 知らねぇよ





乙姫ちゃん












太郎さん!




駄目だ。
このまま太郎さんを置いて
死ぬわけにはいかない。


私が死んでしまったら
太郎さんは
2度と地上に戻ることができない。





太郎さんは浮かれているだけだ。

綺麗な人にちやほやされて
美味しいものを食べて


それで本来の自分を
見失っているだけ。






きっと
我に返る時が来る。

その時に……私がいなかったら
太郎さんは困るだろう。



















私は懐から魔女の薬を取り出した。

ああ……
でも本当に願いが叶うなら

私は……












A.生き返ることを願う。

B.太郎が地上に戻ることを願う。

C.太郎の幸せを願う。

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