私立王星学院は少数精鋭だ。
その入学条件は学力と家格により、設備は他の学校と比較して充実しているが、それだけ授業料も高く、所属する生徒の大部分が資産家の子供になっている。
ある意味で、僕達生徒はこの学院で社会の縮図という者を実感するのだ。
学力、運動能力、社交性、コネ、特殊技能。
中学時代に親の力で幅を利かせた者達がこの学院で底辺である事など珍しくもない。尤も、この学院に入学を許されるだけで相当な人物である事は間違いないが……。
そんな資本主義の時代を牽引する各家の跡取りが通う学院だが、その中でも一際規模のでかい家が神城家だ。この学院に、神城を超える家は存在しない。
当然、顔も知れ渡っており、雲川に限らずすれ違うたびに声をかけられるが、それら有象無象を僕が記憶する事はない。
いや、記憶自体はしているがそれらは単純なラベル分けであって、ぶっちゃけビジネスの一環であり、ただの当主としての義務だった。