昨今、巷を賑わせている事件がある。殺され、その遺体の一部が持ち去られるという事件だ。被害者が皆、女性だということも賑わせている要因だろう。事件を追っていた大庭晴紘(おおば はるひろ)の同僚もその毒牙にかかる。自分にはなにもできない。あの日、彼女の近くにいたのは自分だったのに。自分にはなにも見えてはいなかった。失意の底に落ちていた彼に、少女は手を差し伸べる。「過去を、お見せします。ただし、見るだけ――」
家族を失った青年。伯母に送られた場所は、岸ノ巻という静かな田舎町だった。一人の少女との出逢いが、青年の心を温かく溶かしていく―――※Amebaで連載していた小説をストリエ用に訂正・加筆したものになります
私が生活していてあれこれ思ったことをただ書き綴ります。