ジョセフは、被害の情報を収集するため、
シャーマンに娘を奪われたという家族を集め、
詳細を尋ねた。そのシャーマンと名乗るメスは、ある日突然現れ、村の美しいメスたちに向け
「私の元へ来なさい、その美しさを絶やしてはならない」と不穏なメッセージを残した。
その中には既に婚約している者もおり、
村猫たちはこの不気味なメスを
追放しようとした。

しかし、シャーマンは「私の力を見せてあげよう」と宣言し、目の前で不可解な行動を取り始めた。その結果、村猫たちはパニックに陥り、中には「シャーマンが空中に浮いていた」と言う者や、「シャーマンが何匹も現れた」と主張する者もいた。シャーマンは冷たく言い放った。
「私に逆らう者は、その報いを受けるべきだ」
と言い、1匹の村猫を指差すと、
その猫は突如苦しみ始めたという。

何かのトリックがあるんじゃないか?

しかし、おらたちはあのシャーマンを取り囲んでいた。何かあれば、気づくはずだ

ジョセフさん、おらの婚約者を取り戻してくだせぇ!

村猫のカズオです。あのシャーマンに婚約者を連れて行かれただよ

カズオさん、かわいそう...

このままじゃ解決しねぇ。あのシャーマンの家に行くだ

え?ちょっと待って...

警察官がいれば安心だ!

村猫たちは既に決心しており、ジョセフを連れてシャーマンの家へと向かった。彼らは正義と真実を求めて、不穏な空気を切り裂きながら進んでいった。この決断が、彼らにどのような運命をもたらすのか、それはまだ誰にもわからない。

ジョセフとポテトは村猫たちに、シャーマンの家に無理やり連れて来られた。タダオが声を荒げる

おい、
村の娘を返せ!

玄関からシャーマンのメス猫が現れた
名前はキリノという

何を言っている?返せとは、
なんと無礼な。

知ってるんだぞ。娘を街で働かせたり、金銭を要求していることを!この詐欺師が!

ふふ、だったらこの家から連れていくといい。本人がそうしたいならな

おれはマユコと婚約してたんだぞ!婚約者を返せ!

そうか、お前がまゆこの婚約者か

マユコこちらに来なさい

マユコ!さあ、一緒に帰ろう!

私は帰りません

マユコ!?

言ったろう、ここの娘は自ら選んで来ていると。

なんだと!婚約者を取られた気持ちがお前に分かるか!

ふん、気持ちが分からないのはお前の方だ。マユコはこんなにも美しい

お前みたいな、田舎者で貧乏くさいオスとは結婚したくないそうだ

なにを!!マユコ、いいからこっちに来い!

いいえ、私はここを離れません。キリノ様と共に修行を積み、立派なメス猫として成長するのです

洗脳されたんだな...

いいえ私は自らの意思でここにいます

キリノ様のおっしゃる通り

あなたのような、田舎者で、貧乏で、臭くて、声が大きくて、短足でがさつな雄とは結婚したくありません

ガーン!!
そこまで言ってないぞ!

シャーマンはジョセフとポテトに鋭い目を向けた

その雄どもはなんだ?

キャットタウンから来てくれた
有名な警察官だ!

警察だと?

警察に何ができる。ここにいるのは皆、自分たちが望んで来ているものだ。誰にもその権利を奪うことはできぬ

確かに自らの意思で来ているというなら、警察ではどうしようもできな...

今はどうしようもできないが、必ず先輩がお前の悪事を暴いてやるからな!

え?!

どんなに隠そうとも、先輩の鋭い目から逃れることはできないぞ!

ちょっと!何言ってるのさ!!

ふん、悪事を暴くだと?お前らは聞いていないのか、私に逆らうとどういう目にあうのか

た、確か苦しみ出したっていう...

そんなものが通用するか!ここにいるのはな、あの連続少女失踪事件、連続放火事件を解決した警察官だぞ!

そして、その中心にいたのが先輩だ。先輩はただの警察官ではない。街の平和を守るために夜も昼も戦い続ける英雄だ

おい...ちょっと待て

犯罪者に恐れられ、市民からは信頼される存在。先輩の勇気と決断力は、猫たちを守る最強の盾なんだ!

彼の暴走を止めて!

フフフ...

面白い、では私の力を見せよう。今宵、そこの村猫カズオに災いがおきるだろう。これはお前が力づくでマユコを自分の者にしようとした罪だ。

おらが!?

せいぜい後悔するがいい

シャーマンキリノは冷酷に言い放ち、
家に入っていった

その夜、タダオの家では、緊張感が漂う中、重苦しい空気が流れていた。

ジョセフさん、
本当に大丈夫なんですか?

えっ?

ポテト

タダオさん、大丈夫ですよ。先輩にはきっと考えがあります。じゃないとあんなこと言えませんよ

お前が勝手に言ったんだろう!

ところでユイちゃんの両親はいないのか?

姪のサキとユイは幼いころに両親をなくして、おらが親代わりに育てているんです

あのシャーマンが現れるまで本当に中のいい姉妹だったんですよ

静かな村の片隅で、タダオは二人の姪を愛情深く育ててきた。サキとユイはいつも一緒に遊び、
学び、成長していた。しかし、ある日、
不思議な力を持つと噂されるシャーマンが村に
やってきたことで、すべてが変わり始めたのだ。

サキはシャーマンに心を奪われたようだった。メイクをし、今までに見たこともないような大胆な服を身にまとい、街に出かける日が増えた。サキは家のお金に手を出し、金銭はすべてシャーマンに渡すと言っていた。彼女の変化は急激で、タダオにはどうすることもできなかった。

一方で、妹のユイは姉の変化に深い悩みを抱えていた。かつてのように姉と共に過ごす時間は減り、サキの目にはかつてない冷たさが宿るようになった。そして、ついにサキはシャーマンの家に住み着き、帰ってこなくなったのだ。

タダオの声には無力感が滲み出ていた

シャーマンが来てから、全てが変わってしまいました。サキも、ユイも、そしておらの小さな家族も…

大丈夫です!きっとあの頃と同じように家族で過ごす日がやってきます!先輩を信じてください

そうですか...では、
おらはカズオの様子を見に行ってきますので

タダオは少し安心した様子で家を出た

お前、何を勝手なことを言ってるんだよ

ポテト

え、先輩の気持ちを代弁したまでですよ

いいか、
二度と代弁するんじゃねぇ!

はぁ...

あの、お食事の用意ができました

ジョセフさん、今日シャーマンに言い返したんですって

あ、えーと...

ユイはジョセフに抱き着き

あのシャーマンにはみんな萎縮して口を出せなかったから、本当に頼もしいんですね

違うと言えないこの状況!それにしてもいい匂いだな...

ポテトがにんまりしているのを見て、
咳払いをした。

さあ、もう寝なさい。ここは私がしっかり見回っておくから

はい。おやすみなさい

ユイは笑顔で頷き、部屋へ戻っていった。

ポテト

わーい、今日はユイちゃんの手作りの夕飯ですよ!あ、お酒もある♪

ユイちゃん、いい子だなぁ
(キュン)

つづく

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