ようやく女神の湯に到着したジョセフ、
そこは露天風呂があり、脱衣所も目隠しもなく、誰でも自由に入れる天然の温泉だった

ここが女神の湯か~

あ、あれは?!

湯けむりが立ち上る中、そこには予想外の光景が広がっていた。

なんと、美しい猫が湯に浸かっているのだ!
その猫はジョセフに気づいた

あら珍しい
お客さんが来たわね

あ、えーっと...

入らないのかい?

ジョセフはここで紳士的に対応することに決めた
その美猫に背を向けて話す

いえ、私は警察官なんです。この村のタダオさんに頼まれて調査しに来ました。今は勤務中なので、これで失礼します 

警察の方...

どうかこの村を
救ってくださいまし

ジョセフはその言葉を聞きながら、心の中で感動し、鼻の下を伸ばしていた。もう一度このメス猫に会うために、早く仕事を終えることを心に誓った。

まさか本当にメス猫ちゃんがいるとは!?

ジョセフとポテトはタダオの家で夕食をとっていた。テーブルに並ぶ粗末な料理を見ながら、タダオは申し訳なさそうに言った。

何もありませんが、どうぞ召し上がってくだせぇ

タダオが部屋を出ると、ジョセフはすぐにポテトに話しかけた。

ポテト、何か情報はあったか?

いやぁ、ここら辺はコンビニもないし、じーさんとばーさんばっかりですよ。

で?

あ、そうだ、朝日の丘という場所がありまして、朝日がきれいに見えるらしいですよ。

...

あと、
女神饅頭が有名らしいです。

こいつ、観光気分になってる!

それと、村で唯一の―

もういい!お前には緊張感がないな、ここの村猫が娘を連れ出され困っているんだぞ!

あ、すみません...先輩が喜ぶと思って..

まったく、観光じゃないんだ。仕事で来ていることを忘れるな!

はい すみません...

ポテトはしょんぼりとしながら、手に持っていたチラシをたたもうとした。ジョセフはそのチラシに目を止めた

それはなんだ?

いえ、この村で唯一の
ディープスポット、美猫が踊る
セクシーナイトバーです。

何!セクシーナイトバーだと?

す、すみません!直ぐに捨てます

バカ野郎!!

ヒィ

今からナイト調査だ!

せ、先輩...

先輩、僕に気を使って
言ってくれたんですね。

さすがです~

こうして2匹はナイトバーの調査に出かけた

次の日の朝、ジョセフとポテトはタダオの家で朝食をとっていた。ジョセフは頭を押さえながらぼやいた。

昨日は飲みすぎたぜ

ポテト

ふふ、まさかこんな田舎に
ナイトバーがあるとは思いませんでしたね

かつては温泉街で栄えた村だ。その名残がまだあるんだろう

あ、あの、
いつ姪を取り戻せますか?

ああ、まだ情報が少ないからな
これから聞き込みをしてからだ

どうかよろしくお願いしますだ。

...

ふと外を見ると、ユイがこちらを見つめているのに気づいた。

話でも聞いてみるか

あ、あの...

姉を助けてください...

お姉さんはどんな猫だったのかな?

姉はとても優しい猫です。いつも泣き虫な私を助けてくれる猫でした。でも、こんなことになるなんて...姉は騙されているんです。私の家族を取り戻してください

そう言うと、ユイはジョセフに抱きついた。

姉を...どうか...どうか...

何この展開!?

ジョセフは優しくユイを抱きしめて言った

オレが来たんだ。ユイもお姉さんも必ず救ってやるさ。

その様子を見ていたポテトは涙を浮かべながら感嘆した。

先輩、かっこいいっす~

つづく

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