ジョセフとポテトが到着したのは、かつて温泉の湧き出る美しい村として知られていた清美村だった。しかし、今やその温泉も枯渇し、観光施設も次々と閉鎖され、過疎化が進んでいた。かつては美猫が多いとされた村も、今ではほとんどが高齢者ばかりだった。

ジョセフは村の景色を眺めながらニヤリと笑った

まさか清美村の美猫に会えるとはな。ヒヒヒ…

ポテト

そんなに有名なんですか?

そうだ、この地には美しい猫ばかりが生まれるという伝説が残っている。その伝説の子孫に逢えるなんて、ラッキーだぜ

おらの家に案内するだ

タダオの家

ユイ、警察の方がきてくれたよ
挨拶しなさい

姪のユイです。サキの妹です

よ、よろしくお願いします...

ユイは少し恥ずかしそうに頭を下げ、直ぐに去っていった。

すみません、村に若い雄猫が来ると、緊張してしまうようで...

妹もべっぴんさんだな~

ではこの部屋を使ってくだせぇ

さぁ~て温泉でもいきますか♪

ポテト

先輩もう着替えてる

ポテト

さっそく女神の湯を調査ですね!

いや、お前はこの村の調査を頼む。

え~?ボクも行きたいです~

ふ、青いな…敵陣を知るにはまず情報からだ。足を使って調査するんだ

はい!

ところで女神の湯はどこにあるんだ?

あ、はい。女神の湯は山の中にあります。少し登りますが、その景色は絶景ですだ

なるほどな、そこが混浴なんだな

え?ええ…そうです

ジョセフとポテトが家を出ようとしたとき、玄関にユイが現れた

あ、あの...夜は温泉に行かないでください。クマが出ますので

クマがでるの?

はい、イノシシや蛇も出ますので危険です。

わ、わかった

ポテト

さすがド田舎っすね~

こうして二匹は別々の方向へと動き出した。
ジョセフは混浴温泉「女神の湯」へ向かい、
ポテトは村の情報を集めるために、清美村の調査に取り掛かった。それぞれが自分の任務に
集中し、新たな一歩を踏み出すのであった。

ジョセフは女神の湯を目指して山へと向かっていた。しかしながら、田舎道は景色が一つとして変わらず、全てが同じに見えてしまう。ついには、方向感覚を完全に失い、迷ってしまった。時刻はすでに夕方に差し掛かり、山の入り口付近で、畑仕事に勤しむおじいさんを見つけたジョセフは、声をかけることにした

すみませーん

あの、女神の湯に行きたいんですが

...

ジョセフが話しかけても、おじいさんは振り返ることなく畑仕事を続けた

もしもーし!聞こえますか?

おじいさんの肩を軽くたたいた。

うわぁあああ!!

目の前のおじいさんの顔は、一瞬、骸骨のような不気味な顔に見えたのだ。驚きのあまり、ジョセフはもう一度おじいさんを見直すと、そこには普通のおじいさんが立っていた

おめえは誰だ?

え、ああ、女神の湯に行きたいんだが

そこの階段を上がればすぐだ

ありがとうじいさん...

さっき見たものは一体何だったのか、ジョセフの心には疑問が浮かんだが、それよりも今は混浴のことが最優先だった。不思議な出会いを胸に秘めつつ、ジョセフはおじいさんの示した階段を上がり、女神の湯へと足を進めた。

つづく

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