僕とシンディさんは
ドンガラさんの治療を終え
ノーススプリングスの町へ
戻ることにした。


でもその時、
上空から大きな黒い影が迫り
振り返って見上げてみる。

するとそこには……。
 
 

トーヤ

っ!?
もしかしてモンスター?

ドンガラ

あれはサカマタン!
俺たちアーゴの
天敵でさぁ!

ドンガラ

凶暴なヤツらです。
まだこちらには
気付いていないようですが
鼻が利くので
存在がバレるのも
時間の問題でしょう。

トーヤ

襲ってくるかな?

ドンガラ

えぇ、確実に。
もっと岩礁の奥、
ヤツらの入り込めない
位置まで逃げないと
食われちゃいますね。

 
 
サカマタンの大きさは小屋が数個分。
つまりドンガラさんの数倍はある。

それが数匹の群れをなして
付近を泳いでいる。
なんだかサメの群れみたいに見えるなぁ。
 
 

ドンガラ

マズイ!
気付かれやした!

トーヤ

えぇっ!?

 
 
ドンガラさんが言うように
サカマタンの一匹が
僕たちのところへ真っ直ぐ向かってくる。

そのスピードは
ドンガラさん以上かもしれない。


それに続いてほかのサカマタンたちも
一斉にこちらへ向かって突進してくる。




このままだと
地面に激突してしまうだろうけど
そんなのお構いなしって感じだ。

その衝突のダメージくらい
へっちゃらって感じなんだろうな。



つまり防御力というかタフさというか、
並みの攻撃じゃ効かないって
ことなのかもしれない。
 
 

トーヤ

シンディさん、
どうしましょう?

シンディ

撃退するしか
ないんじゃない?
逃げられる雰囲気じゃ
ないみたいだから。

トーヤ

そうだ!
防御魔法を使うのは
どうですか?

ドンガラ

ダメです!
ヤツらは氷系の
魔法を使いやす!

トーヤ

くっ……。

 
 
防御魔法は物理攻撃には無敵だけど
魔法攻撃は防げない。

ドンガラさんみたいに
物理攻撃オンリーなら簡単にこの危機を
乗り越えられたんだろうけどなぁ。




しかもこの状況は圧倒的に不利だ。

主戦力のソニアさんやカレン、
ビセットさんがいない。
万が一の時に頼りになるサララもいない。

僕自身が戦力になれる方法を考えないと。
 
 
 
 
 
 

シンディ

フリズアロー!

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
シンディさんが魔法を詠唱すると
無数の氷の矢が生まれ、
先頭のサカマタンに
次々と突き刺さっていった。

そのサカマタンは苦痛の叫びを上げ、
たまらず僕たちのいる場所から後退する。

それを見て後続のサカマタンたちは
警戒して進路を変え、
射程範囲外で留まって様子を見ている。
 
 

トーヤ

さて、どうするか……。

 
 
こうやって牽制しながらなら
僕とシンディさんは町まで
逃げ切れるだろう。

でもこのままドンガラさんを
放ってはおけない。



何らかの方法でサカマタンたちを倒すか
追い払うしかないだろうな。
何か役に立ちそうな薬を持ってたかな?

ただ、ここは水の中だから
毒薬や痺れ薬は薄まってしまいやすいし
僕は状態異常にならなくても
シンディさんやドンガラさん、
周りの生物に影響が出る可能性がある。



そうなるとフォーチュンを使って
遠隔攻撃をすることを
主体にした方がいいかな……。
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

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