海流の激しいエリアを抜けると
幸いにも少しだけ流れが穏やかになって
進むのも楽になった。
その状況が2日ほど続いている。
ドンガラさんによると、
南北巡回海流の動きが
大きく変化していなければ
目的の場所の付近まで
今の状況のまま行けるらしい。
そうであってほしいなぁ……。
海流の激しいエリアを抜けると
幸いにも少しだけ流れが穏やかになって
進むのも楽になった。
その状況が2日ほど続いている。
ドンガラさんによると、
南北巡回海流の動きが
大きく変化していなければ
目的の場所の付近まで
今の状況のまま行けるらしい。
そうであってほしいなぁ……。
そろそろ昼食の時間だし
適当な場所で止まって
休憩しましょうか。
カレン、
食料の在庫はどう?
だいぶ減ってきてるけど
まだ大丈夫よ。
でもそろそろどこかで
補給しておきたいわね。
それならこの先に
町がありますんで、
そこへ寄りやすか?
そうなの?
それを早く言いなさいよ。
だったらその町で
物資の補給と食事を
しましょう。
あるいは今日は
町で休みましょうか?
みんなも野宿続きで
疲れが溜まってきてる
でしょうし。
そうしますか。
ここまで順調に
移動できてますしね。
分かりました。
では、今日は町の宿に
泊まりましょう。
久しぶりに
ふかふかのベッドで
休めますねっ。
よーし♪
今夜は酒場で
羽目を外すぞ~!
それはどうかと……。
程々にしておいて
くださいね……。
こうして僕たちは数日ぶりに
町に立ち寄ることにした。
店での食事も宿も楽しみだなぁ。
僕たちが辿り着いたのは
ノーススプリングスという町だった。
この地域では一番大きな町らしい。
市場も活気があって物が豊富にあるから
必要物資が容易に手に入る。
それに付近の情報も
自然と耳に入ってくるだろうしね。
その後、僕たちは宿を見つけ、
そこに部屋を確保してから
近くの食堂で昼食を済ませたのだった。
ちなみに体の大きいドンガラさんは
泊まれる広い部屋がないので
町の近くにある岩礁地帯で
一夜を明かすことになっている。
このあとは
どうしましょうか?
私とソニアさんは
買い出しに行ってくる。
任せて~☆
このふたり、普段は
仲がいいんだよなぁ。
この前はあんなに激しく
ケンカしてたのに……。
ん? どうしたの?
何か言いたげな顔を
してるけど?
ううん、別に何も!
私とサララ殿は
情報収集に行ってきます。
ついでに食べ歩きも
してくるのです!
うん。
私は町の外で
ドンガラの診察と治療を
しようと思ってる。
お願いしやす、姉御。
そのあとは宿に戻って
ゆっくり
休ませてもらうわ。
それなら僕は
シンディさんのお手伝いを
させてもらおうかな。
そうしてくれると
私も助かるわ。
トーヤ兄にも
お世話になりやす。
じゃ、みんな。
またあとで。
こうして僕たちは
いくつかのグループに分かれ
それぞれ行動を開始することにした。
僕はシンディさんや
ドンガラさんとともに
町を出て岩礁地帯へ向かう。
岩礁地帯は大きな岩山が
いくつも連なっている感じで、
雰囲気は地の世界にあった
地竜の集落に似ているかもしれない。
――ティアナさん、
元気でやってるかな?
その岩礁地帯をしばらく進んで、
日当たりが良い海草の林の一角に
僕たちは腰を落ち着ける。
ドンガラさん、今夜はここで休むらしい。
早速、診察魔法で
体の状態を確認して
みましょう。
お願いしやす。
その間、
僕は薬の準備を
しておきますね。
その後、シンディさんは診察魔法で
ドンガラさんの体の状態を把握してから
僕に処方する薬の指示をした。
僕はそれを用意して
ドンガラさんに投薬する。
今のところドンガラさんの体調は
維持できているけど、
やっぱり疲労は蓄積している感じかな。
今後もなるべく無理はさせない方が
いいと思う。
じゃ、私たちは
宿へ戻るわ。
少し出歩くくらいなら
問題ないけど、
体を休めるのを
最優先にね。
承知しやした。
明日の朝、
ここに迎えに来ますね。
お待ちしておりやす。
僕はドンガラさんに声をかけると、
シンディさんとともに
町へと戻ることにする。
でも次の瞬間、
僕たちの上空から大きな黒い影が
覆い被さってきたのだった。
振り返り、見上げてみるとそれは……。
次回へ続く!