どうやら僕にも
ソニアさんの考えている方法に
考え至ることが出来るらしい。
でも色々と考えてみても
何も浮かんでこない。
ソニアさん、僕のことを
買いかぶりなんじゃないのかなぁ……。
どうやら僕にも
ソニアさんの考えている方法に
考え至ることが出来るらしい。
でも色々と考えてみても
何も浮かんでこない。
ソニアさん、僕のことを
買いかぶりなんじゃないのかなぁ……。
僕にはサッパリ
分かりませんよ。
諦めるの早すぎ。
もう少し考えなさいよ。
そう言われても……。
じゃ、ヒント。
火山活動を見てから
今に至るまでの会話の中に
その重要なカギの話題が
出てきてます。
そうなんですかっ!?
うーん、なんだろう?
魔法のことかな?
結界魔法とか防御魔法とか攻撃魔法とか。
攻撃魔法……。
あっ! もしかして!
分かったんですか?
強力な攻撃魔法で
山を吹っ飛ばすとか?
なるほどっ!
…………。
ソニアさんは目を丸くしたまま
呆然と僕の言葉を聞いていた。
あれ……?
何この反応……。
外した……かな……。
うん……
これは外したんだろうな……きっと……。
……それでいいなら
やっちゃうけど?
ダメですよっ!
それは最後の手段でしょ。
いやいや、シンディさん。
さすがにそれは
最後の手段であっても
マズイですよ。
……ま、半分冗談よ。
半分って……。
つまり半分は本気って
ことですよね……。
どうかしら?
うーん……。
魔法じゃないとすると何だろう?
物理的に火山を排除するのは
違うんだよね……?
だとすると転移魔法?
ソニアさんがリスクを取って
北側へ移動して、
そのあとで僕たちのところへ戻って
僕たちが彼女の転移魔法で
移動するってことかな?
――いやダメだ。
ソニアさんに何かがあったらアウト。
そもそも彼女だけに
リスクを負わせるのは違うと思う。
私は分かった……
かもしれません……。
ビセットさん……。
僕が考え込んでいると
ビセットさんは
真面目な顔で不意に呟いた。
つまり結論に辿り着いたのかな?
火山活動というのは
そもそも――。
はーい、というわけで
正解は
『地の欠片の力を使う』
でしたー。
あ……。
ビセットさんの言葉を遮るように
ソニアさんが正解を言い放ってしまった。
一方、ハシゴを外されたビセットさんは
唖然としながら固まっている。
なんか可哀想……。
結局、ソニアさんが
答えちゃうんですね……。
だってビセットに
手柄を立てさせたく
ないんだもん。
てはは……。
でもなるほどですね。
火山活動は大地の動きと
密接に関わってるというか
そのものですもんね。
地の欠片は地の力を
行使することが出来るから
火山活動を
沈静化させることも
出来そうですよね。
出来そうじゃなくて
出来るの。
つまり私たちが
通過する場所と瞬間だけ
地の欠片で活動を
抑えてしまうわけですね?
そういうこと。
皆様方、
そんなすごいことが
出来るんですか?
それなら安心して
通り抜けられやすね。
これなら確かにドンガラさんも
後顧の憂いなく通れるもんね。
ま、持病の悪化とか発作とか
そういう影響は
いつ出てもおかしくないから
その心配はあるかもだけど。
百聞は一見にしかず。
トーヤ、やってみて。
地の欠片を
持ってるでしょ?
やってみてと言われても
使い方が分かりませんよ。
地の欠片を手に持って
起こしたい現象を
念じればいいの。
簡単でしょ?
それならソニアさんが
やってくださいよ。
っ!
…………。
ソニアさんの表情が一瞬だけど
鬼の形相になって、僕を睨んだ。
――そこに漂う圧倒的な憤怒。
思わず僕の体はビクッと震え、
背筋が寒くなる。
もっとも、ソニアさんはすぐにいつもの
気だるい感じの態度に戻ったから、
ほかのみんなはその変化に
気付いていないかもだけど。
なんか今のソニアさん、
いつもと雰囲気が明らかに違ってた。
本気で怒っていたみたい。
ううん、それだけじゃない。
うまく表現できないけど、
不機嫌になったというか
僕がタブーに触れたかのような感じ。
どうしちゃったのかな……?
確かについつい他力本願みたいな
言動を取った僕も悪かったけど
あそこまで怒るなんて……。
何か思うところがあるのかもなぁ。
それじゃ意味ないよ。
今後、敵との戦いとかで
トーヤがそれを
使うことがあるかも
しれないんだから。
練習を兼ねて
経験しておきなさい。
わ、分かりました。
やってみます。
僕は懐の奥から地の欠片を取り出した。
それを手のひらに載せると
なんだか温かで躍動的な力の流れが
感じられる。
次回へ続く!