水の世界への旅立ちが決まり、
水の属性を持つサララとビセットさんが
王都へ招集されることになった。


といっても、
サララはデリンさんと一緒に
王都で活動していたし、
ビセットさんはクレアさんの転移魔法で
瞬時にやってきたので
集まるまで
そんなに時間はかからなかったんだけど。

引き続き一緒に旅をする
カレンやソニアさんは王都にいるし、
残るはもうひとりの同行者さんだ。



僕を含め、その6人で水の世界へ
旅立つことになる。

そして全ての準備を終え、
僕たちは女王様の部屋で
残るひとりの到着を待っていたのだった。
 
 

トーヤ

それでもうひとりの
同行者さんというのは
誰なんですか?

ミューリエ

内緒だ。会えば分かる。

トーヤ

…………。

 
 
女王様はたまに
こういう茶目っ気のあるところを
見せることがある。

それだけ僕たちに対して
心を許してくれているって
ことなんだろうけど。

やっぱり誰なのかを早く知りたいなぁ。
 
 

ミューリエ

トーヤとカレンは
よく知っている人物だ。

ソニア

つまりサララちゃんや
ビセットは
あまり知らないヤツって
ことになるわね。

ビセット

楽しみですねぇ。
可愛い男子なら
嬉しいですけどねぇ。
エルム殿とか。

トーヤ

エルムは候補から
外れますけどね。
地の属性ですから。

ビセット

私と抱きついていたら
水の属性に
変化しませんかねぇ?

ソニア

ない。っていうか、
少しはその欲望を
自重しなさいよ。

 
 
突き放すように
冷たく言い放つソニアさん。

でもソニアさんも
散々エルムにベタベタしてたのに
他人のこと
言えないんじゃないかなぁ……。
 
 

ビセット

むむ、ソニア殿。
手厳しいですねぇ。

ミューリエ

ははは、ビセット。
もうひとりのメンバーは
女性だ。残念だったな。

カレン

女性ですか。
私やトーヤは
顔見知りなんですよね?

カレン

しかもビセットさんに
馴染みがないとなると、
魔族の誰かかなぁ。

サララ

でもでもぉ、
私にも馴染みが
ないんですよね?
かなり限られないですか?

トーヤ

うーん。

 
 
ビセットさんに
馴染みがないということは
アレスくんたちと一緒に旅をした
メンバーではないということだ。

そしてサララに馴染みがなくて
僕とカレンが知っている人物
ということは、
僕たちがクレアさんの病気に効く薬の
材料探しの旅に出てから
サララと出会うまでの間に知り合った
誰かだということ。
 
 

トーヤ

ユリアさんかなぁ?

カレン

でもユリアさんは
副都遊撃グループに
いたんでしょ?

ビセット

おっしゃる通りです。
そして私は
副都攻撃グループ。
ふたつのグループは
副都で合流してます。

ビセット

事実、知らない仲では
ありません。

トーヤ

そっかぁ……。
副都攻略の時のことも
考えないと
いけなかったね。

 
 
僕たちはギーマ老師からの試練として、
王都から副都へ向かうことになった。

そしてギーマ老師の家に
辿り着いたあとは王都に戻って、
各グループに分かれて副都攻略に
あたったんだよね。
 
 

サララ

あの時、
私とトーヤくんは
別行動になりました。

ビセット

副都ではトーヤ殿と
私が合流しましたね。

トーヤ

つまり王都から
副都までの行程も
条件に当てはまる
ということかぁ。

 
 
そうなると、
その時に出会った女性として
候補となる人物が思い当たる。

もし彼女が旅に加わってくれるなら
主力として心強いけど――
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

第337幕 最後のひとりは誰?

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