翌日の朝、
目が覚めた僕は準備を終えて
フィッチさんたちのところへ向かった。
すでにほかのみんなも集まっている。
いよいよ本格的に帝都攻略が始まるんだ。
翌日の朝、
目が覚めた僕は準備を終えて
フィッチさんたちのところへ向かった。
すでにほかのみんなも集まっている。
いよいよ本格的に帝都攻略が始まるんだ。
では、作戦について
説明していこう。
町を守備するゴーレムは
私たち地竜が受け持とう。
その隙にトーヤたちが
帝都の奥へ侵入する。
分かりました。
ただし、
長期戦になればなるほど
私たちが不利だ。
いくらドラゴンでも
体力には限界が
あるだろうからな。
ゴーレムを倒すには
エネルギーを供給している
敵の親玉を倒さないと
いけないのよね?
カレンが言っている『倒す』というのは
ゴーレム軍団を無力化するという意味だ。
それぞれのゴーレムは
体に記された紋章が弱点で、
それを物理攻撃や魔法攻撃などで消せば
元の素体に戻すことが出来る。
――って、ゴーレムに詳しい
ユリアさんが以前に言ってた。
ただ、ここのゴーレムは町の地下から
魔法力が供給され続けていて
いくらでも複製が可能らしい。
そしてソニアさんの話だと、
世界のバランスを崩している
『地の欠片』がそのエネルギーの供給源。
つまりそれを持っている
敵の親玉を倒さない限り、
ゴーレム軍団を根絶することは
出来ないということだ。
ゆえに私はトーヤたちと
行動を共にする。
えっ?
私の背中に乗せ、
城まで一気に運ぶ。
その後、私は単独で
ゴーレムと戦う同志たちと
交流する。
なるほど……。
トーヤたちは速やかに
皇帝と
異世界から来た災いの元を
倒してくれ。
承知です。
盗賊ギルドのメンバーは
別の場所から
帝都に侵入して
魔法を封じている結界を
解除してほしい。
あいよ。
そっちは任せてくれ。
目的達成後は
遊撃部隊とする。
また、城にある金品は
好きにするといい。
ククク、それなら
さっさと結界を潰して
暴れさせて
もらうとするか。
嬉しそうな顔をするミドルさん。
さすが盗賊ギルドのメンバーだなぁ。
もしかしたらこれは
成功報酬ということなのかもなぁ。
それなら命を賭けても作戦を
決行してくれるだろうし。
ま、本当は
私としてはこの作戦には
乗り気ではないのだがな。
どういうことです?
兵糧攻めにしようと
考えてたらしいんだよ。
このドラゴン。
こ、このドラゴンって……。
地竜の族長さんに対して
失礼だなぁ……。
帝都は堅固な要塞ゆえ
補給路は限られる。
食料も水も帝都内で
生産するのは難しい。
ゆえに私たちドラゴンが
街道を封鎖し、
物資の往来をさせぬように
するのだ。
それで弱ったところを
叩くわけですか。
その作戦は有効ですが、
時間がかかりすぎます。
地震だって続いてますし、
一刻を争うかもです。
当然、却下しました。
エルムはバッサリと切り捨てる。
こういう時は容赦ないよなぁ。
でもそれくらいの決断力が
僕たちには必要だもんね。
それにエルムの意見は頷けるし。
みんな、ちょっといい?
ん?
今まで黙って話を聴いていた
ティアナさんが口を開いた。
神妙な面持ちで、
何かを決意したかのような瞳。
どうしたんだろう?
私はフィッチと行動を
共にさせてもらいたいの。
トーヤたちとは
別行動をさせて。
えっ?
その方が全体の戦力の
底上げに繋がるはず。
ドラゴンマスターは
ドラゴンの力を100%以上
引き出すことが
出来るから。
確かにな。
私以外のドラゴンの
力を増幅させることは
可能だろう。
だが、ドラゴンロードたる
私の力への影響は軽微。
それなら最初から
ほかのドラゴンと共に
ゴーレム討伐部隊に
加わってはどうか?
作戦開始まで多少は
時間があるでしょ?
それまでに私の
ドラゴンマスターとしての
レベルを上げるわ。
この短時間では無理だ。
無理でも何でも
やらなきゃいけないの!
だって……
このままだと……
悔しいじゃん……。
ティアナさん……。
ティアナさんはわずかに俯き、
唇をかすかに震わせている。
彼女自身から強い意志のオーラを感じる。
次回へ続く!