ドラゴンを操ることが出来ず、
しかも反撃を食らったことで
プライドが傷付けられ、
我を失ってしまったティアナさん。
それに対して族長さんも
全力で対応しようとして
禍々しい力を高めている。
このままだと大変な事態になる。
そう判断した僕は激突を避けるべく
ティアナさんと族長さんの間に
割って入り、
ティアナさんを庇うような形で
彼女を抱きしめる。
ドラゴンを操ることが出来ず、
しかも反撃を食らったことで
プライドが傷付けられ、
我を失ってしまったティアナさん。
それに対して族長さんも
全力で対応しようとして
禍々しい力を高めている。
このままだと大変な事態になる。
そう判断した僕は激突を避けるべく
ティアナさんと族長さんの間に
割って入り、
ティアナさんを庇うような形で
彼女を抱きしめる。
っ!?
ティアナさんッ!
落ち着いて!
もういいんですっ!
もしかしたら彼女から
攻撃されるかもって思ったけど、
幸いにもそれはなかった。
どうやら意識は全て族長さんに
向いていたみたい。
それが功を奏したのかも。
そしてティアナさんの動きが
止まったところですかさずカレンが
彼女にに回復魔法をかける。
暖かな光がティアナさんを包む。
族長さん、
僕たちはティアナさんに
手を貸しました!
彼女の負けです!
だから戦意を
収めてください!
…………。
…………。
僕の必死の呼びかけが届いたのか、
族長さんの体を包んでいた黒い光が
少しずつ収まっていった。
こうして激突は回避され
最悪の自体だけは免れる。
よくぞティアナを
止めたな。
良い判断だ。
指示も適切だ。
…………。
……なんで……?
っ?
トーヤ……
なんで止めたの?
ティアナさん……。
カレンの回復魔法によって怪我が回復し、
我に返っていたティアナさんは
ポツリと呟いた。
俯いていて表情はよく見えないけど、
その目に光るものがあるのは分かる。
そして拳は強く握りしめられ
小刻みに震えている。
僕も胸が痛い……。
確かに地竜の協力は
必要ですが、
ここでティアナさんを
失うわけにはいきません。
それでは本末転倒です。
それにティアナさんは
負けですが、
まだ僕たちがいます。
僕たちの誰かが
勝てばいいんです。
そうだ、
俺たちの力を信じろ。
勝ってみせますよ。
ドラゴンに負けて
ティアナはプライドが
傷付いたかもだけど。
っ!?
そうだ、それがまだ謎だ。
どうして族長さんは
ティアナさんの命令を
聴かずに済んだのだろう?
普通ならあり得ない。
でもそのあり得ないことが
何らかの要因によって
起きたってことなんだろうな。
ティアナよ、
お前の言動から
古の契約の全てが
伝わっていないと
私は理解した。
やはり族長さんを
操れなかったのには
何か理由が
あるんですね?
トーヤよ、
お前はそれに気付いて
戦いを止めようと
思ったのだろう?
はい……。
ドラゴンは
ドラゴンマスターに
逆らえない。
しかし例外がある。
それはドラゴン自身が
上位の存在へ
クラスチェンジ
している場合だ。
上位の存在?
ドラゴンロード。
詳細は言えぬが
研鑽に研鑽を重ね
さらに試練を乗り越えた
ドラゴンだけが
到達できる境地。
竜王(ドラゴンロード)
か……。
ドラゴンロードは
ドラゴンマスターの
介入を拒否できる。
もちろん、これにも
例外はあるが。
……ハイマスター。
不意にティアナさんが呟いた。
するとそれを聞いた族長さんは
興味深げに彼女の方を見る。
次回へ続く!