僕たちは岩の中に隠されていた
隠し通路の中を進んでいった。


この奥にはワープゲートがあるらしい。

それを使えば地竜の集落の近くまで
一瞬で移動できるとのこと。
 
 

カレン

見えてきたわね……。

トーヤ

うん。

 
 
やがて僕たちの前には
小屋くらいの空間が広がって、
その中央には石造りの門が建っていた。

そこには彫刻や魔法文字らしきものが
施されていて、
いかにもという感じがする。

また、地面には魔方陣が描かれている。
 
 

ミドル

よーし、
転移魔法を使うから
少し待ってろ。

トーヤ

転移魔法かぁ。
デリンさんがいたら
ワープゲートを
使わなくても
移動できたかもね。

エルム

どうですかね?
転移魔法は転移先の
イメージが必要ですから
情報がない場所には
行けないんじゃ
ないですか?

トーヤ

あ、そっか……。

エルム

その点、ワープゲートは
移動できる場所が
固定されているので
魔法力さえあれば
移動できるのが利点です。

トーヤ

それなら
サララでも安心だね。

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

サララ

ハクション!

サララ

うーん、
風邪でもひいたかなぁ?

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それから程なくワープゲートには
魔法力が充填され、起動準備が整った。
あとはここを抜ければ
ワープ先の場所へ出られるはず。

ゲートの向こう側から
かすかに空気が流れてきていて
草の匂いが漂っている。
 
 

ミドル

準備完了だ。
起動しているうちに
さっさと抜けるぞ。

トーヤ

はい。

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
僕たちはいそいそとゲートを通り抜けた。
すると辿り着いたのは岩山の中で、
周りは遺跡のようになっている。

ということは、このワープゲートも
その遺跡に関する施設の
ひとつなのかな?
 
 

トーヤ

ミドルさん、
地竜の集落はどこですか?

ミドル

あっちに見えている
岩山全体がヤツらの
テリトリーだ。

ミドル

気をつけろよ?
そのテリトリーで
地竜に見つかったら
容赦なく
攻撃されるからな。

ティアナ

大丈夫よ。
私がそんなこと
させないから。

ルシード

じゃ、この先は
ティアナを先頭にして
進んだ方が
いいんじゃないか?

トーヤ

そうだね。
ティアナさん、
お願いできますか?

ティアナ

りょーかいっ!

 
 
こうして僕たちはここから先、
ティアナさんを先頭にして進んでいった。

強大な力を持つドラゴンだけど
襲われる心配がないと分かっていると
気が楽だなぁ。



……なんて油断していると
想定外のことが起きる気がするから
気を引き締めておこう。
 
 

ルシード

お、どうやら
お出ましみたいだぞ。

トーヤ

えっ?

 
 
見ると遥か前方に地竜の姿が見えている。
僕たちの存在に気付くのは時間の問題か、
あるいはすでに気付かれているか。

いずれにしても接触するのは間近なのは
間違いない。
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

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