無事に首都の中へ入ることに成功した
僕とソニアさんは、
城壁沿いで
あまり目立たない場所を見つけ
そこに魔法で地下の抜け道を作った。
そして数時間ぶりに
カレンたちとの合流を果たす。
どうやら誰にもバレずに済んだみたい。
もちろん、掘った抜け道は埋めたから
証拠も残っていないはず。
無事に首都の中へ入ることに成功した
僕とソニアさんは、
城壁沿いで
あまり目立たない場所を見つけ
そこに魔法で地下の抜け道を作った。
そして数時間ぶりに
カレンたちとの合流を果たす。
どうやら誰にもバレずに済んだみたい。
もちろん、掘った抜け道は埋めたから
証拠も残っていないはず。
ふぅ、やれやれだぜ。
今夜は宿に泊まって
ゆっくりと休みましょう。
じゃ、
メインストリートの方へ
行ってみましょうか。
そうですね。
早く宿で休みましょう。
こうして全員が揃った僕たちは
首都の中心部へ向かって
歩き出した。
さすが首都ってだけあって
この時間でも人通りが多くて、
しかも街灯や家々の照明のおかげで
昼間のように明るい。
商店もまだ営業しているところが多いし、
酒場や食堂などからは
賑やかな声も響いてきている。
あぁ、おいしそうな料理の匂いがする。
どこから漂ってきているんだろうな?
あっ、兄ちゃん。
あそこに宿がありますよ。
ん? どれどれ……。
エルムが指差した先には
確かに宿があった。
外見は小綺麗で並の宿という感じだし、
メインストリート沿いで
町の探索にも便利だ。
ここでいいかな。
さて、宿泊料はいくらだろ?
いらっしゃいませ。
宿の中に入ると、
フロントにいた店主さんが
声をかけてきた。
穏やかな物腰で優しそう。
宿の中もきれいだし、問題なさそうだ。
今夜、
部屋は空いてますか?
6人部屋をひとつです。
多少狭くてもいいぞ。
俺は床に
寝させてもらえばいい。
6人部屋が空いてます。
一泊ひとり1000ジルで
計6000ジルとなります。
う……。
このグレードの宿としては
ちょっと高いなぁ。
さっき通行税を払って懐が少し寒いから
余計に厳しく感じるよ。
どうしようかな……。
おい、もう少し安く
ならないのか?
ルシード……。
足下を見てんじゃ
ないわよ?
ティアナさんまで……。
そうおっしゃられましても
これがこの町の相場ですよ。
ほかの宿も同じ感じです。
皆様、
もしかしてこの町は
初めてですか?
そうですけど。
何かお買い物は
されましたか?
いえ……。
やはり。
この町は全体的に
ほかの町と比べて
物価が高いのですよ。
ということは、
僕たちの持ち物も
高く売れる
ということですか?
そうなりますね。
兄ちゃん、
ここに泊まりましょう。
宿代ならなんとかなると
思います。
分かった。
エルムがそう言うなら。
ご主人、
では6人部屋を
お願いします。
承知いたしました。
よく分からないけど、
エルムの言葉に従って
僕たちはここの宿に泊まることにした。
そして部屋を確保したあと、
僕たちは食事をするために
近所の食堂へ向かう。
ただ、その前に道具屋に立ち寄って
宝石を換金することにする。
現金の持ち合わせが
ほとんどなくなっちゃったからね。
いらっしゃい。
何かご入り用で?
宝石を
買い取ってください。
それと体力回復薬や
魔法力回復薬も
売りたいんですけど。
どちらも面倒みましょう。
薬を売ろうと思ったのは、
ちょっと今後の資金が心配だから。
少しでも足しにしたいからね。
薬の原料そのものは安いから、
いざとなれば調薬して売ればいい。
それだけである程度の資金は稼げる。
えーっと、
まず宝石ですが――
しばらくして宝石や薬の
鑑定を終えた道具屋の店主さんは
結果を口にする。
全部で50万ジルに
なりますが
よろしいですか?
ごっ、50万っ!?
僕は聞き間違いかと思った。
だって僕たちの世界でいうと
500万ルバーってことになるわけで、
相場としては5倍くらい高い。
でもそんな僕の驚きをよそに
道具屋の店主さんはさらに
とんでもないことを言い出す。
安すぎましたか?
では勉強して、
53万ジルでは
いかがです?
これが限界です。
それで構いません。
ありがとうございます。
それとこちらの薬ですが、
いやはや質の高い
貴重な薬ですね。
しばらくぶりに
見ましたよ。
全部で1万ジルで
買い取りましょう。
それでお願いします。
…………。
エルムはポーカーフェイスで
淡々と商談を進めていた。
すごいなぁ、こんなにも平静を
装っていられるんだから。
僕なら絶対に顔に出ちゃうよ。
ちなみに薬の相場は
僕たちの世界と比べて
10倍くらい高いと思う。
こうして換金を終えてから
僕たちは近くの食堂へ入ったのだった。
次回へ続く!