首都へ辿り着いた僕たちだったけど、
町へ入るには法外な額の
通行税を払わないと
いけないらしかった。
このまま素直に払えばいいんだろうけど
それだと今後の旅に
支障が出る可能性がある。
そもそも僕以外のみんなは
マトモに払う気がないみたいで……。
首都へ辿り着いた僕たちだったけど、
町へ入るには法外な額の
通行税を払わないと
いけないらしかった。
このまま素直に払えばいいんだろうけど
それだと今後の旅に
支障が出る可能性がある。
そもそも僕以外のみんなは
マトモに払う気がないみたいで……。
ドラゴンに町を襲わせて、
囮にしている隙に
通るとかどう?
あはっ、それ見たいかも。
そんな無茶苦茶な……。
では、ソニアさんの魔法で
空を飛んで城壁を越え、
町に侵入するというのは?
それだっ!
飛んでいる時に
矢で射られてもいいの?
それくらいの対処は
してくると思うわよ?
イガ栗かウニか、
あるいはハリセンボンの
仲間入りね。
確かにそれは充分にあり得る。
矢でなくても
魔法で攻撃される可能性だってあるし。
そもそもこんな厳重な
警備をしている町が
浮遊魔法などで
城壁を越えようとする者のことを
考えていないはずがない。
じゃ、地下はッ!?
掘り進むのは可能だけど、
地上の様子が
分からないんじゃ
出る地点が問題ね。
メインストリートとか
人の多い場所に出たら
万事休すね。
そっか……。
なぁ、透明化の魔法とか
使えないのか?
おぉっ! それは名案っ!
魔法を検知するセンサーや
結界があったら終わりね。
つまり変身魔法で
誰かに変身して
通ろうとするのも危険。
魔法で体を小さくして
気付かれないように
通るのもダメですね。
うむむ……。
なかなかいい案が浮かばないなぁ。
そうなると
正攻法を少し捻った作戦の方が
かえってうまくいくかもなぁ。
袖の下を衛兵に渡して
通してもらうのはどう?
それなら通行税よりも
安くつくかもね。
でも確実性は低いよね。
選択肢として
残しておくのはいいけど。
そっか……。
あの……僕、
思ったんですけどね……。
その時、
エルムが神妙な面持ちで口を開いた。
何かいいアイデアでも浮かんだのかな?
さっき話題に出た
地下を進むというアイデア、
応用してみては
いかがです?
と、いうと?
地下を進む場合、
問題となるのは
どこに出るか
分からないという
ことでした。
だったら誰かが
中から手引きをすれば
いいんじゃないですか?
あっ……。
なるほどねっ!
幸い、僕と兄ちゃんは
ある程度
離れた場所にいても
意思疎通が出来ます。
それを利用して
作戦決行の時間や位置を
申し合わせれば
いいのではないかと。
そっか、エルムは僕の使い魔だから、
僕たち同士は特別な力を使わなくても
城壁の内外程度の距離なら
テレパシーで意思疎通が出来る。
さすがエルム、考えたねっ!
――採用。
いいんですか、
即決しちゃって?
いいわよね、トーヤ?
一番無難で
成功率も高そうだし、
僕は賛成です。
問題は地面を掘る魔法を
使えるかどうかね。
私は無理だけど。
私も専門外かなぁ。
俺も無理だぞ……。
となると、
適任者は私だけってことに
なるわね。
あとは僕とエルムの
どっちがソニアさんと
一緒に行くかだね。
はい、どちらかが
ついていかないと
連絡が取り合えない
わけですからね。
僕がソニアさんと
一緒に行くよ。
リスクの高い方にエルムを
向かわせるわけには
いかないからね。
いいよね、カレン?
しょうがないわね。
許す。
分かった。
トーヤ、よろしくね。
はい!
もしソニアさんが
暴走しそうになった時、
エルムだと
押し切られちゃいそうだもんね。
僕なら痺れ薬なり睡眠薬なり、
何らかの手段で無理矢理にでも
止められる可能性はあるから。
こんなこと、ソニアさんには
絶対に言えないけど……。
次回へ続く!