僕たちが村の探索へ向かおうとした時、
大きめの地震が世界を襲った。

もっとも、壊れた家はないようだし、
地割れもない感じだから
大きな被害は出ない程度の規模だけど。


突然のことだったから
僕は心臓がドキッとして
痛くなるくらいに
ビックリしちゃったけどね。




まだドキドキしてるし……。
 
 

トーヤ

大きな地震だったね。

カレン

そうね。
みんな怪我はない?

エルム

大丈夫です。

ソニア

……これは良くないわね。

ティアナ

どこか痛めたの?
診るけど?

ソニア

そういう意味じゃない。
この地震、単なる地震じゃ
ないみたいだってこと。

トーヤ

えっ?

ソニア

世界の歪みの周期と
地震がリンクしてたのよ。
つまり震源に敵がいて
そいつが原因の
地震でしょうね。

ソニア

ヤツらがこの世界に来て
ある時点から
似たような地震が
頻発しているかも。

ルシード

その辺の情報も
調べてみよう。

トーヤ

僕たちもそれとなく
探ってみるよ。

 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

僕たちはルシードたちと一旦別れ、
市場や商店を中心に回ることにした。



市場は意外に活気があって
生鮮食品の流通は
しっかりしているみたい。

ただ、ついついいつものクセで
植物関係を物色してしまって
カレンに叱られちゃった。





そのあとは古物商の店に寄って
小さな宝石を換金し、
情報を集めていく。


めぼしい情報としては、
ここはハテノ村といって、
やはり街道の宿場町だということ。

それとここの北には
首都のブロッコがあり、
皇帝フシューが統治しているということ。


そして地震に関しては
1年ほど前から定期的に発生していて
その頻度は徐々に上がってきている
とのことだった。

特に数週間前には建物が倒壊するほどの
大きな地震が起きて、
この村も含めて
各地で甚大な被害が出たらしい。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

トーヤ

さて、と。
そろそろルシードたちと
約束した時間だね。
待ち合わせ場所に行こう。

カレン

そうね。
そのあとはどこかで
昼食にしましょう。

ルシード

おーい、トーヤ!

トーヤ

あっ、ルシード。

 
 
僕たちが待ち合わせ場所へ
向かおうとした時、
路地の向こうからルシードとソニアさんが
駆け寄ってくるのが見えた。

どうしたのかな?
 
 

ルシード

トーヤ、状況はどうだ?

トーヤ

まぁまぁかな。
これから待ち合わせ場所へ
向かうところだったんだ。

ルシード

そうか。俺たちもだ。
姿が見えたから
走ってきたんだよ。

ソニア

ここで合流しようと
思ってね。
村の出入口まで行って
こっちへ戻るのも
メンドいし。

トーヤ

そうでしたか。
じゃ、食堂か酒場で
昼食をとりながら
情報交換しましょう。

カレン

ねぇ、あそこにあるのって
食堂じゃない?

 
 
カレンの指差した先には
一見すると宿屋のような店が建っていた。
でもよく見ると、
看板には『宿泊とお食事』と書いてある。



どうやら1階が食堂で
2階が宿になっているらしい。

路地の奥まった場所にあるから
僕たちのいる表通りからだと
分かりづらいなぁ。
 
 

ルシード

へぇ、あそこにも
食堂があったのか。
気付かなかったな。

トーヤ

そんな感じだね。
分かりづらいだろうなって
僕も思ったところ。

ティアナ

隠れた名店だったりして。

エルム

あの場所でも商売が
成り立つわけですから
ありえますね。

カレン

確かに。

ソニア

まだあの店は
情報収集していないし
ついでに聞き込みを
してみましょう。

 
 
というわけで、
僕たちはその路地の奥にある食堂へ
向かうことにしたのだった。

どんな料理があるんだろうなぁ?
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

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