しばらくしてルシードとティアナさんは
意識を取り戻した。
ふたりの話だと、
情報収集を終えてここへ戻ってくる
途中で
記憶が途絶えているとのこと。
きっとその時、
シャドウの不意打ちを食らったんだね。
しばらくしてルシードとティアナさんは
意識を取り戻した。
ふたりの話だと、
情報収集を終えてここへ戻ってくる
途中で
記憶が途絶えているとのこと。
きっとその時、
シャドウの不意打ちを食らったんだね。
俺としたことが
不覚だった。警戒は
していたんだがな。
ここへ戻る状況になって
無意識に近いレベルの
かすかな気の緩みを
衝かれたんでしょうね。
シャドウは
精神の動きに敏感で
心の隙間を
確実に狙ってくる
モンスターですからね。
そうだね。
仕方ないわよ。
過ぎたことは水に流して
集めてきた情報を
聞かせてもらいましょう。
大事なのは
いつまでも引きずらず、
今後のことを
考えていく。
ですよね？
…………。
反省すべき点は
反省してだけどね。
みんなポジティブね。
でもその通りよね。
じゃ、ルシード。
報告を。
えっと――
ルシードの話によると、
ここからしばらく歩いた場所に
小さな村があるということだった。
さらにそこから先へ行くと森も終わり、
村人の話によるとそこを道なりに
進んでいくと
もっと大きな街があるという。
ちなみに文化レベルや
住民の種族などはザッと見た限り、
僕たちの世界と大差ない感じらしい。
そうだよね、
植物なんかは同じだったし、
シャドウだって
僕たちの世界にいる連中と
同じ気がするし。
つまり僕たちがこの世界を歩いていても
目立たないってことだ。
で、これからどうするの？
今夜はここで野宿して
明日は村で情報を
集めてみましょう。
ちなみにソニアさん、
敵の反応があるのは
大きな街がある方向
なんですよね？
うん。
ただ、敵がいる場所は
ずっと遠くみたい。
手がかりに
なりそうなことも
それとなく聞いて
みましょう。
直接的ではなく
間接的にですね。
集めた情報を整理しつつ
少しずつ
外堀を埋める感じで。
そういうのは
エルムが得意だから
エルムに任せるよ。
お任せください！
じゃ、夕食にしようか。
でもスープは
温め直さないとね。
なんだかんだあったせいで
冷めちゃってるから。
てはは、そうですね。
こうして僕たちは夕食を終え、
交代で見張りを担当しつつ
朝になるまで休むことにした。
先が思いやられる感じで
旅が始まったけど、
今後の心構えや
予行演習が出来たと思えば
まんざらでもないかも。
反省点はたくさんあったけどね……。
次回へ続く！
