ルシードとティアナさんは
情報収集へ向かった。
一方、僕たちは野宿の支度をする。
お日様の具合を考えると
ふたりが戻ってくる頃には
暗くなっている可能性が高いからね。
森の中だと
モンスターが現れるかもだけど
ソニアさんが周囲に
結界を張ってくれたから
その心配はおそらくないと思う。
もちろん結界が無効なモンスターも
いるかもしれないから油断はできない。
だからエルムは周囲を
見張ってくれている。
僕たちの世界の感覚でいるのが
一番危険だもんね。
ルシードとティアナさんは
情報収集へ向かった。
一方、僕たちは野宿の支度をする。
お日様の具合を考えると
ふたりが戻ってくる頃には
暗くなっている可能性が高いからね。
森の中だと
モンスターが現れるかもだけど
ソニアさんが周囲に
結界を張ってくれたから
その心配はおそらくないと思う。
もちろん結界が無効なモンスターも
いるかもしれないから油断はできない。
だからエルムは周囲を
見張ってくれている。
僕たちの世界の感覚でいるのが
一番危険だもんね。
よしっ、と。
僕は夕食を作り終え、息をついた。
今夜のメインはキノコのスープ。
念のため、食材は僕たちの世界から
持ってきたものを使っている。
ぱっとみた限り、
周りに生えている植物やキノコなどは
僕たちの世界にあるものと同じだし、
それらを調べた限り安全だとは思う。
さらにカレンの魔法で調べて
危険性はないと分かっている。
でも最初だから
慎重の上にも慎重を重ねて
そういうことにしたというわけだ。
トーヤって料理も
できるのねぇ。
それほどでもないですよ。
これは煮込むだけですし。
料理なら私も
エルムもできますよ。
僕たちは旅をしてきて
作ってますからね。
なるほどねぇ。
じゃ、私は作らない方が
いいかもね。
料理は苦手だから。
作ってたら料理が
爆発でもするんですか?
物理的に爆発は
しないけど
味覚的には爆発して
脳がやられるかもよ?
えっ?
それはヤダなぁ。
あははっ!
カレンとソニアさんは声を上げて笑った。
なんだかんだでやっぱりこのふたり、
気が合うんじゃないのかなぁ。
ちょっとトーヤ。
なーにニヤニヤして
こっちを眺めてんのよ?
えっ?
僕、ニヤニヤしてた?
うん。
ゴメン。なんだか
微笑ましいなぁって
ふたりを見ててさ。
いいんじゃない?
笑える時には笑えば。
この先、いつ笑えるか
分からないんだし。
いつ戦いが始まって
いつまで続くかも
分からないもんね。
だね……。
平和な時というのはどれだけ貴重で
かけがえのない
素晴らしいものなのだろう。
それを今、ひしひしと感じる。
平和が当たり前な時代が来て、
それがずっと続くといいなぁ。
あっ、兄ちゃん。
ルシードさんたちが
戻ってきました。
ホントっ?
…………。
…………。
エルムの指差す方向を見ると、
ルシードとティアナさんが
歩いてくるのが見えた。
どうやら怪我もしてないみたいだし、
ひと安心だ。
お帰り、ルシード。
ティアナさん。
僕はふたりに駆け寄ろうとした。
でもその時、
不意にソニアさんに腕を掴まれて
制止させられる。
視線を向けると、彼女の顔は険しい。
様子がおかしいわ。
えっ?
…………。
…………。
確かにふたりは一言も発せず
結界の外側で立ち止まったまま。
途端にカレンは警戒心を強め、
剣に手を添えて身構えた。
直後、エルムは目を見開いて叫ぶ。
見てください!
おふたりの背後を!
えっ!?
目を凝らして見てみると、
ふたりの首の後ろあたりに
黒い霧のようなものが付いているのが
確認できた。
あれはもしかしてシャドウ!?
精神を支配されて
操られているわね。
あの霧みたいなのを
倒さないと。
っ……。
きっと物理攻撃は
効果が薄いでしょうね。
ここは私に任せて。
ソニアさんは身構えているカレンを制し、
一歩前へ出た。
いつになく真剣な表情。
そして目を見ると
寒気がするくらいの威圧感と迫力。
全身から得も言われぬオーラが
漂っている。
次回へ続く!