地属性の世界へ
旅立つことになった僕たち。

メンバーは僕、カレン、エルム、
ティアナさん、ソニアさん、
そして隠れ里から駆けつけてくれた
ルシードの計6人。

僕たちはクレアさんの転移魔法で
副都にある隔世の門の前にやってきた。
 
 

ソニア

じゃ、離ればなれに
ならないように
手を繋いで隔世の門を
通りましょう。

ソニア

道案内は私に任せて。

トーヤ

はい。お願いします。

カレン

トーヤ、私と
手を繋ぎましょう。

トーヤ

喜んで。

 
 
カレンは僕の左手を握った。
すると即座に右手をエルムが握ってくる。
 
 

エルム

兄ちゃんの右手は
僕です。

トーヤ

うん、いいよ。

ソニア

カレンの左手は私ね。

カレン

ま、いいですけど。

ティアナ

じゃ、私は
エルムとルシードね。

ルシード

分かった。

 
 
こうして手を繋いだ僕たちは
隔世の門へ向かって
ゆっくりと歩みを進めていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
進むにつれ門から溢れる光が
どんどん強くなっていく。


心地よい浮遊感。

柔らかくて暖かな空気。

まるで春風のような。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

トーヤ

あれ?

 
 
気が付くと僕たちは
見知らぬ森の中に立っていた。
土や草花の香りが濃くて
呼吸をすると心地良い。

見上げると木々の葉の間から
真っ青な空が見えている。
 
 

カレン

ここが地属性の世界?

ソニア

そうみたいね。
間違いなくここは
地属性の世界よ。

エルム

見た感じでは
僕たちのいた世界と
変わらないようですね。

ソニア

みんなのいた世界に
近しいのかもね。

トーヤ

というと、
ソニアさんのいた世界と
僕たちの世界は
違いが大きいんですか?

ソニア

まぁね。
そのうち機会があったら
案内するわよ。

ソニア

トーヤとカレンなら
無属性だから
行き来も容易だろうし。

トーヤ

お願いします。

カレン

私も興味あるなぁ。

ソニア

……正直、あまり
見せたくはないけどね。
トーヤたちの世界より
汚い世界だから。

 
 
ソニアさんはなぜか遠い目をしていた。
こんなコトを言ったら失礼だけど、
いつになくシリアスだ。

でも『汚い』って
どういう意味なんだろうなぁ。
 
 

ルシード

ま、どんな世界にも
汚点はあるさ。
俺たちの世界だって、
特に俺の視点では
汚く見えるわけだしな。

ティアナ

隣の芝生は青い、か。

ルシード

そういうことだ。

 
 
どんなものだって自分のものより
ほかの人のものの方が良く見える。

だけど実際にはどんなものにも
良い部分や悪い部分はある。

だから他者と比較して
ネガティブに考えるんじゃなくて、
自分の良い部分を見つけて
それを誇る方がいいんじゃないかな。
 
 

エルム

では、最初は
どこに向かいますか?

トーヤ

そうだなぁ……。

 
 
今、ハッキリしていることといえば、
ここが地属性の世界ということと
どこかにグランの手下がいて
世界に危機を与えている
ということくらい。


まずはどうすべきか……。
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

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